アンドラーシュ・アドリアン×野村徹
奏者にとって欠かせない、楽器のメンテナンス。今回はフルートのリペアを専門に行なう技術者の野村徹氏に、アンドラーシュ・アドリアン氏との対談形式で、リペアマンの仕事について語っていただきました。
奏者にとって欠かせない、楽器のメンテナンス。今回はフルートのリペアを専門に行なう技術者の野村徹氏に、アンドラーシュ・アドリアン氏との対談形式で、リペアマンの仕事について語っていただきました。お二人は、野村氏がヨーロッパで活動していた頃からの旧知の仲。対談も、実はアドリアン氏からの「凄腕のリペアマンが日本にいるから、ぜひインタビューを」という熱い(!)要望で実現した企画。かくして、野村氏をゲストに、アドリアン氏がインタビュアーを務める形で対談が実現したのでした。
対談の中から、本誌に掲載できなかったお話をお届けします。
待ち時間が楽しいものであってほしいから……
とてもアクセスの良い場所にある野村氏の工房TOKYO FLUTE SPACE。対談当日は、アドリアン氏と編集部が工房を訪問してお話を訊きました。一等地にありながらも“見つけやすいとは言い難い”というのは、看板を出しているわけではないためです。しかし、アドリアン氏のお墨付きでもある腕の良さだけに、予約はたくさん入っている様子。また、ひとつひとつの質問に丁寧に応え、伺った全員に配慮のゆきとどいた応対をしてくださる野村氏の人柄も、きっと安心して楽器を委ねられる安心感につながっているのだろうな、と感じたひとときでした。
ブタペスト生まれ。コペンハーゲンで育ち、1974年よりミュンヘン在住。歯科学を学びディプロマを取得。フルートをA.ニコレ、J.P.ランパルに師事、研鑽を積む。68年コペンハーゲンで行われたJacob Gade Prizeとモントルーで開催された国際フルートコンクールで優勝後、71年パリ国際フルートコンクールで第1位を獲得。70年から87年の間、ストックホルム、ケルン、バーデン=バーデン、ミュンヘンの各オーケストラの首席奏者を務め、87年よりケルン音楽大学教授、96年からはミュンヘン国立音楽大学教授を歴任。2009年に出版されたフルートに特化した百科事典「Lexikon der Flote」の編纂も行っている。これまでに100以上の録音を発表し、88年にはドイツ批評家賞を受賞。
武蔵野高等学校音楽科(現武蔵野音楽大学附属高等学校)及びハンガリー国立フランツ・リスト(リスト・フェレンツ)音楽院でフルートを専攻、青木明、小山由利子、佐伯隆夫、ローラント・コヴァーチの各氏に師事。 英国ノッティンガム州立ニューアーク・アンド・シャーウッド・カレッジ(現リンカーン・カレッジ)にて木管楽器製作・修理をジェフリー・エルス氏の元で学ぶ。在学中から英国を代表するフルート専門店修理室での実地研修、日米のフルートメーカー視察、フルートに関するさまざまな研究を行う。1999年、ヤマハに入社。同社フランクフルトR&D(リサーチ・アンド・ディヴェロップメント=研究開発部門/のちのアトリエ・ハンブルク)でフルート専任技術者として楽器の開発、アーティスト・サーヴィスに従事した。20年にわたるヨーロッパでの生活を終え、2013年に帰国。翌年、東京・赤坂に独立の修理工房「東京フルートスペース」を構え現在に至る。ストロービンガー (TM) フルートパッド認定技術者。
<INFOMATION>
TOKYO FLUTE SPACE〈完全予約制〉
住所:東京都港区赤坂 (詳しい住所は予約時に案内)
*千代田線乃木坂駅徒歩2分、大江戸線六本木駅徒歩4分
日比谷線六本木駅徒歩7分、銀座線・半蔵門線青山一丁目駅徒歩11分
営業時間:10:00〜20:00(最終受付19:00)、不定休
問合せ:Tel/Fax:03-6804-5967
info@tokyoflutespace.com
https://www.tokyoflutespace.com