シモーネ・ニコレッタ ボローニャ歌劇場で働けるなんて、私はとても幸運な人間です!
2015年からボローニャ市立歌劇場管弦楽団の首席奏者を務めているシモーネ・ニコレッタ氏。音色の美しさで知られるニコレッタ氏は、イタリアオペラの演奏はもちろん、ピアニストである兄と共演し室内楽奏者としても幅広く活躍している。今回は同管弦楽団とともに3度目の来日を果たした。ニコレッタ氏は大の親日家でもあり、音楽とクラリネットへの深い愛を笑顔で語ってくれた。
取材協力:株式会社ドルチェ楽器
太陽の降り注ぐイタリア 音楽一家で育つ
─ニコレッタさんへの初めてのインタビューになります。来日されるのは何度目ですか?
シモーネ・ニコレッタ(以下N):今回で3度目です。初めて来たのは3年前で、今回と同じボローニャ市立歌劇場管弦楽団の日本公演でした。その時は東京や奈良でコンサートをして、とても楽しかった。日本は食べ物もおいしいですし、優しい人ばかりです。日本人の親友もいます。日本には『朧月夜』のように美しくてかわいい曲がたくさんありますね。
(インタビュアがノートにメモしているのを見て)日本語の字がたくさん書いてあるのを見ると、なぜかリラックスできるんですよ(笑)。
─ご出身はイタリアのどちらですか?
N:アクアーラ(Aquara)というイタリアの南方にある町です。美しい丘があり、太陽の光が降りそそぐ町です。双子の姉がいて、今はトリノでヴァイオリニストをしています。兄はピアノを演奏し、時々私と共演します。
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・イタリア・オペラを育てた街、ボローニャの歌劇場
・歌うように演奏できる、お気に入りの楽器
・オフの日も必ず練習。いつか成果はついてくるもの
シモーネ・ニコレッタ Simone Nicoletta
イタリア・サレルノ県アクアーラ生まれ。ガエタノ・ロッシに師事。16歳の時、Sisto Lino D’Onofrioのもとで、アヴェッリーノ音楽院"ドメニコ・チマローザ"を卒業。コラド・ジェフレディ、ラリー・コムス、エディ・ダニエルズ、ファブリジオ・メローニ、リカルド・モラレスに師事。ヴィオッティ・ヴァルセージア国際コンクール優勝。2010年、イ・ポメリッジ・ムジカーリ管弦楽団のコンクールで優勝。11年、Rino Viani国際クラリネットコンクール優勝。12年、パルマ・レージョ劇場管弦楽団首席奏者。14年には、リカルド・ムーティによって設立されたルイージ・ケルビーニ・ジョヴァニーレ管弦楽団で、ムーティ本人より首席クラリネット奏者に選ばれる。2015年からボローニャ市立歌劇場管弦楽団首席奏者を務める。スイス・イタリアーナ管弦楽団、フェニーチェ劇場、ローマ歌劇場、ミラノ・スカラ座、サン・カルロ劇場などと共演。室内楽にも情熱を持ち、兄であるピアニストのフェデリコとともに国内外の音楽フェスティバルなどで演奏を続けている。
シモーネ・ニコレッタ