アンドレアス・オッテンザマー 歌心あふれるアルバム「ブルー・アワー」
21歳の若さでベルリン・フィル首席奏者に就任してから9年。アンドレアス・オッテンザマー氏は、オーケストラのスター奏者としてだけでなく室内楽プレイヤーとしても活躍し、世界中の名手と共演の幅を広げている。そのアンドレアス氏が待望のニューアルバムを2019年3月に発表。慣れ親しんだオーケストラのソリストとしての演奏と、室内楽奏者としてのピアノとのデュオが楽しめる興味深いアルバムだ。来日したオッテンザマー氏が語るアルバムへの思いとは。
取材協力:ユニバーサルミュージック合同会社、株式会社ヒラサ・オフィス
音楽のキャリアの中で とても重要な録音
─今回の来日では日本を代表するオーケストラの一つである読売日本交響楽団と演奏されますが、共演は初めてですか? 本日リハーサルが行なわれたそうですが、感想をお聞かせください。
アンドレアス・オッテンザマー(以下O):来日をいつも楽しみにしています。読売日本交響楽団とは今回が初共演になります。ウェーバーの『クラリネット協奏曲第1番』は凝縮された中身の濃い協奏曲で、とても難しいのですが、リハーサルではソロとオーケストラの掛け合いがとてもうまくいったのです。素晴らしい音色を持つオーケストラなので、演奏会は非常に良いものになると確信しました。
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・演奏とはすべての状況に 気を配ること
・唯一無二の楽器と セッティングが 世界一の演奏を支える
CD Information
「ブルー・アワー」
ユニバーサルミュージック【UCCG-1835】
¥3,024(税込)
[演奏]アンドレアス・オッテンザマー(Cl)、ユジャ・ワン(Pf)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:マリス・ヤンソンス) [収録曲]カール・マリア・フォン・ウェーバー:クラリネット協奏曲 第1番 ヘ短調 作品73/協奏的大二重奏曲 変ホ長調 作品48、フェリックス・メンデルスゾーン:7つの無言歌(編曲:アンドレアス・オッテンザマー)、ヨハネス・ブラームス:《旋律のように》 作品105の1、間奏曲 イ長調 作品118の2
アンドレアス・オッテンザマー Andreas Ottensamer
1989年、オーストリア・ハンガリー系の音楽一家に生まれる。早くから音楽に親しみ、4歳でピアノを始め、10歳になるとウィーン国立音楽大学でチェロを学び、2003年にクラリネットに転向、ヨハン・ヒントラーに師事した。その間、ピアノ、チェロ、クラリネットの各楽器で数々のコンクールにて優勝を果たす。その後、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン・フィル、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラで、オーケストラ奏者としてのキャリアを開始。2009年、ハーバード大学在学中にベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミーに入学。その後わずか21歳で、ベルリン・フィル首席クラリネット奏者に就任。現在、世界で最も注目を集めるスター・クラリネット奏者として活躍をしている。 室内楽奏者としても、ペライア、アンスネス、カヴァコス、ヤンセン、ヨーヨー・マ等と共演しているほか、アンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバーとしても活動。また、スイスのビュルゲンシュトック音楽祭の芸術監督をピアニストのホセ・ガヤルドと共に務めている。 2017年2月には、名門デッカとクラリネット奏者として初めて専属レコーディング契約を結び、「New Era」をリリースして話題となる。
アンドレアス・オッテンザマー