クラリネット記事 音楽はもちろん、すべてを含めた文化的な活動を展開していきたい─中ヒデヒト
  クラリネット記事 音楽はもちろん、すべてを含めた文化的な活動を展開していきたい─中ヒデヒト
[1ページ目]
The Clarinet vol.73 Close Up

音楽はもちろん、すべてを含めた文化的な活動を展開していきたい─中ヒデヒト

待望の1stミニアルバム「Comme on est bien(コモレビアン)」を3月14日にリリースする予定の中ヒデヒトさん。クラリネット奏者としては数少ないスタジオミュージシャンとして、映画やTVドラマの劇伴を数多く演奏している。そんな中さんにスタジオミュージシャンとしての仕事のことや、1stミニアルバムについて訊いた。

ソロのレッスンだけを受けていた

中さんのクラリネット人生についてお聞きしたいと思います。まず、クラリネットとの出会いを教えてください。
中ヒデヒト
(以下、中)
中学1年のときです。ヴァイオリンをやっている友人に連れられて京都市立堀川高等学校の定期演奏会に行ったんですね。その演奏を聴いて堀川高校に行きたいと思ったのですが、当時習っていたピアノではもう間に合わないと言われ、これから始めるなら歌か管楽器しかないと。僕は東京スカパラダイスオーケストラに憧れていたのでサックスをやりたかったのですが、そこにはサックス科がなかったんです。それでピアノの先生のつながりでファゴットの先生を紹介してもらったんですけど、ちょっと違うなと思って相談したら、当時の京都市交響楽団クラリネット奏者の海川雅富先生を紹介いただきました。学校には吹奏楽部がなかったので、3年間アンサンブルはまったくやらずにソロのレッスンだけを受けていました。
堀川高等学校から東京藝術大学に進学しますが、藝大を目指そうと思ったのはいつですか?
クラリネットを始める前の小学6年生のときから漠然と思っていました。そのときは何も始めていなかったんですけどね。でも、高校に入ったあとは“藝大に行こう”と真剣に思っていました。藝大に入れなかったら、パリに留学するつもりでした。
実際にパリ地方音楽院に留学されましたね。
藝大を卒業したあと、しばらく現場で仕事をして28歳のときに留学しました。当時は劇団四季のレギュラーもあり仕事には困っていなかったんです。ただ、劇団四季をやっていたころは年間200公演以上出ていました。ほかの仕事もしていたので毎日キツくてだんだんとアイデアもなくなってきて、このままだと自分の音楽人生が危ないかなと思い、一旦すべての仕事をストップして、2年間パリで過ごしました。留学のきっかけになったのは、サイトウ・キネン・オーケストラに参加したことです。そこで留学経験者との差を感じ、リカルド・モラレスなど世界的なプレイヤーを目の当たりにして、自分には楽器の扱い方からすべてが足りないと感じたんです。こういう世界的なプレイヤーとずっと仕事をしていくためにも自分をもっと変えないといけないという想いが強くなりました。
留学したもう一つの目的は、大好きなミシェル・ポルタルに会うことでした(笑)。
留学してみて、自分の出したい音が明確になりましたし、表現の部分でも自信がつきましたね。
学生時代に取り組んだことで、効果的だったという練習は何でしょうか?
ジャンジャンの「座右の銘」というエチュードです。クラリネットを始めたころから取り組んでいて、コンサート前にも必ずやっています。スケールも昔から大好きですし、半音階の練習もよくやります。また、僕はいろんな楽器を吹いているので、フルートやサックスの教則本から良いと思ったものをクラリネットに取り入れたりしています。
 

>>次のページに続く
・自分の音がメディアから流れることの喜び
・いろんな音が詰まったアルバム

 

中ヒデヒト Hidehito Naka
東京藝術大学卒業。パリ地方音楽院にて学ぶ。2009年より小澤征爾氏率いるサイトウキネン・オーケストラ及び水戸室内管弦楽団に参加。スタジオプレイヤーとしては、日本を代表する作曲家達の指名を受け、TVドラマ、CM、映画などへ年間300本以上の収録に参加。近年では、NHK朝のテレビ小説「エール」への出演、演奏をはじめとして「鬼滅の刃」、「相棒」、「グランメゾン東京」など多数参加。また、作曲・編曲家として音楽制作に取り組み、クラシックバレエ、日本舞踊、パフォーマーとの舞台制作にも力を注いでいる。2018年より、しっかりとした音楽を楽しんでいただくため「入門編はやりません」をテーマに『日曜日の音楽会』を開始。毎回一流の音楽家を迎え、次回で12回を迎える。「小さな耳を鍛える』0歳児から入場可の午前の部、「アペロを楽しむ」ワイン&音楽の午後の部と2部構成をとっており、赤ちゃんから大人まで本格的な音楽に触れることができるコンサートを提供。

 

CD Information

Comme on est bien
「Comme on est bien(コモレビアン)」

定価:¥2,000+税
【NOK-4001】 NAKA-ONGAKU-KIKAKU
[演奏]中ヒデヒト(BbCl,Bass-Cl,Ss)、田ノ岡三郎(Acc)
[収録曲]Summertime、Ranunculus、HANE-羽-、Escualo、 Comme on est bien
 

今号だけのBIGな無料ダウンロード!!
[ダウンロードデータ配布期間:2021年7月9日まで]

雑誌購入者全員*が対象!

1stミニアルバム「Comme on est bien」より『Summertime』のフル音源がダウンロードできる!
*CLARINET CLUB(定期購読プラン)会員、ONLINE CLARINET CLUB(定額オンラインプラン)会員を含む

・雑誌をご購入の方は、無料会員登録および誌面に記載しているアクセスコードの入力が必要になります。
・定期購読(配本のみ)プランの方は雑誌に同梱の『ダウンロードのご案内』に記載のアクセスコードの入力が必要になります。
・配布期間終了後に定額オンラインまたは定期購読をお申し込みいただいたお客様につきましては、アルソオンライン(info@alsoj.net)までお問い合わせください。

\ダウンロードはこちらから!/

ダウンロード案内

【定期購読(配本のみ)プランの方へ】
音源をダウンロードするためには、アルソオンラインへの会員登録が必要です。まだ会員登録がお済みでないお客様は、info@alsoj.netまでメールアドレスをお知らせください。また、インターネット環境のないお客様はアルソ出版通信販売部(03-6908-1121)までご連絡ください。

【ダウンロードデータ・コンテンツに関して】
掲載されている著作物の全部または一部を、権利者に無断で複製または転載し、頒布し、他に送信することは、著作権の侵害にあたり、著作権法により罰せられます。
ダウンロードデータの提供は予告なく終了することがあります。あらかじめご了承ください。

[CLUB MEMBER ACCESS]

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。

1   |   2      次へ>      

クラリネット ブランド