第7回 | 特殊楽器と呼ばれるクラリネットのリード1
クラ奏者なら誰もが持っているリードの悩みを解決していく当コーナー。今回から2回にわたって、E♭クラ、Bassクラ、Altoクラなど、特殊楽器と呼ばれるクラリネットのリードについて取り上げていく。通称「並クラ」との違い、それはリードの大きさからして始まるが、ただ縮尺が変わるだけ? それとも楽器との相性があるの?
アンサンブルや吹奏楽で特殊楽器を演奏するクラ吹き必見だ。
講師 木村健雄さん
今回は、特殊楽器と呼ばれるクラリネットたちのリードについてお話ししていきましょう。リードの調整方法は基本的に「並クラ」(業界用語でB♭クラリネットのこと)と同じですが、サイズが大きくなればなるほど、削る面積も広くなり、左右のバランスを取るのが難しくなる上に、水分を含ませるのにも時間がかかり、やっかいな作業になってきます。 それぞれの楽器の特徴を踏まえた注意点……の前に、リードの削り方の順番と場所を簡単におさらいしておきましょう。
(The Clarinet vol.39発売当時のまま掲載しています。)
● リードの削り方と順番(復習)
理由、細かい注意点などは誌面の都合上書ききれないので、バックナンバーを参照してください。紙やすりの種類については第3回で説明しています。 下記は各リードの紙やすりを入れる場所。
①「空研ぎ紙やすり」80番でレジスターキィを押さない下管の音(a)の抵抗感を整える。
②「耐水紙やすり」320番でレジスターキィを押さない上管の音(b)の鳴りを調整。
③ ②と同じ320番で、2〜3回触れる程度こする。紙やすりに若干でもリードの粉が付けばOK。スロート部分の音(c)と、音の立ち上がりを改善。
④「耐水紙やすり」800番で、根元から先端方向へ1〜2回こする。これも紙やすりにリードの粉が付けば十分。仕上げです。
▶︎次のページ「それぞれの楽器の注意点」に続きます。
・E♭クラリネット
・Bass クラリネット
木村健雄