マウスピースの基礎知識 -意外と知らない11のこと-
材質、種類、リードやリガチャーとの関係など……、知っているようで意外と知らないのがマウスピースのこと。自分に合ったマウスピースを探し出すのはプロ奏者でも難しく、何度も試奏して、さらに研究して、より良いマウスピースを見つけているのだ。 そこで、今回は読者のみなさんの永遠の悩み(!?)、マウスピースについての基礎知識を、日本を代表するクラリネット奏者の十亀正司氏のもと、紹介していこう。
十亀正司 Masashi Togame
広島県出身。8歳でヴァイオリン、15歳よりクラリネットを始める。東京芸術大学卒業、同大学大学院修了。1978年、大学院在学中に東京交響楽団に入団。同交響楽団首席クラリネット奏者として活躍。現在、聖徳大学音楽科、東京芸大、武蔵野音大の講師を務めている。 日本クラリネット協会副会長、日本メタルクラリネット協会副会長。TCCP主催、亀の子音楽工房代表取締役。クラリネットを三島勝輔、室内楽を中川良平の両氏に師事。
Contents
■十亀正司氏に訊く! マウスピースのこと Part.1
(01)マウスピースの重要性、(02)マウスピースの要素、(03)マウスピースの材質、(04)ティップ・オープニングとフェイシング、(05)サイドレールとティップレール、(06)マウスピースとリードの関係、(07)バラつきについて、(08)マウスピースを見てみよう!、(09)自分に合うマウスピースとは?、(10)マウスピースは消耗品?替えるタイミングは?、(11)マウスピースの扱い方
■注目のマウスピース26点 一挙紹介
(01)Vandoren 5RV Lyre Traditional、(02)Vandoren 5RV Lyre Profile88、(03)Vandoren B40 Traditional、(04)Vandoren B40 Profile88、(05)Vandoren M30 Traditional、(06)Vandoren M30 Profile88、(07)Vandoren M15 Traditional、(08)Vandoren M15 Profile88、(09)BUFFET CRAMPON JP5、(10)YAMAHA Custom 4CM、(11)Alexander Willscher WS、(12)Alexander Willscher 40B、(13)ESM MB1、(14)ESM SWA、(15)BG B2、(16)Pomarico Crystal RUBY、(17)RICO Reserve X0、(18)RICO Reserve X5、(19)RICO Reserve X10、(20)RICHARD HAWKINS B model、(21)RICHARD HAWKINS R model、(22)Gottsu Sepia Tone 5、(23)Gottsu Sepia Tone 6、(24)THEO WANNE GAIA Traditional、(25)Robert DiLutis clarinet Mouthpiece、(26)SELMER Standard C☆
■十亀正司氏に訊く! マウスピースのこと Part.2
十亀正司氏に訊く! マウスピースのこと Part.1
01マウスピースの重要性
マウスピース、リガチャー、リードの3点をクラリネットでは「仕掛け」という。この3点の相性によって音色や吹奏感が決まるといっても過言ではない。
中でも、クラリネットの音色を決める上で、マウスピースが果たす役割は大きい。
十亀氏は、「マウスピースは割と不変で、その次に変わらないのがリガチャーです。リードは吹いていると変化してきます。そのため、マウスピースを最初に選んだほうがいいと思います」と語る。仕掛け全体が音に密接に影響するものの、その軸として存在するマウスピースを知ることが“自分に合った”仕掛けを見つける第一歩だ。
02マウスピースの要素
マウスピースの音色や吹奏感を決める要素は多々挙げられるが、中でも「材質」、「ティップ・オープニング」、「フェイシング」などはマウスピースそれぞれに設定がある。その組み合わせによって様々な音色や吹奏感の違いが生まれるのである。
また、「サイドレール」や「ティップレール」も深く影響する要素なので、合わせて覚えておこう!
03マウスピースの材質
マウスピースの「材質」は、現在、エボナイト(硬化ゴム)が主流となっているが、ほかに樹脂製(アクリル、フェノールほか)や木製などがあり、中にはガラス製のものまである。材質によって重量はもちろん、音色や吹奏感も大きく変わってくる。
>>次のページへ続きます!