レッスンマスター 北田学が楽しみ方を提案!
ニューモデル、XA-LM10、XA-LM30、RD-R20が今年6月に登場し、これまで以上に注目度がアップしている音楽練習用レコーダー“JVCレッスンマスター”。練習に活用するのはもちろんだが、考え方を少し変えれば、遊び心をくすぐる使い方もできる。その一つを即興演奏家として活動するとともに、音楽教室で講師も務める北田学氏にレッスンマスターの楽しみ方を紹介してもらった。
── 即興演奏からジャズなど、幅広いジャンルで活躍する北田さんですが、影響を受けたアーティストは?
即興音楽をやりたいと思ったきっかけは、キース・ジャレットの「ケルンコンサート」を聴いて感動したことです。そこからジャズに興味を持ち、様々なアーティストを聴くようになりました。伊藤志宏とのデュオ「audace」については、フランスのクラリネット吹きミシェル・ポルタルとリシャール・ガリアーノというアコーディオン弾きのCDを聴いて衝撃を受けたのがはじまりです。あとはクラリネット吹きで言うと、初めて曲をコピーしたのがエディ・ダニエルズでした。フランスの奏者ルイ・スクラヴィスも好きですね、おすすめです。
── 好きな奏者の曲をコピーするときはどのようにしていましたか?
テープ、CDを使っていました。一音を聞き取るために早送り、巻き戻しをくり返しながらやるのですが、やっていくうちにテープだと音程が悪くなっていくし、ポータブルCDプレーヤーだと早送りと巻き戻しボタンを使いすぎて接触が悪くなり3つほどダメにしました(笑)。いつも「同じ音程で、しかも半分のスピードでできないかな」と思っていました。レッスンマスターの「スピードコントロール※1」と「一瞬の音だけ繰り返し聞く※2」という機能は、コピーする人にとってはまさに欲しかった機能だと思います。ただし、コピーする時は耳を鍛えることも重要ですが、フレーズ感をイメージしながら何度もトライしていくことも大切です。
何より今回レッスンマスターを使ってみて楽しかったのが「重ね録音」ですね! 以前レコーダー2つとパソコンを使って一人重ね録音を試みたことがありますが、レッスンマスターは一台で、ワンタッチでできるのが非常に手軽でいいです。さらに良い音で録れるので、趣味でやっている人はYouTubeなどにアップして楽しめますよね。まじめに練習するのも大事だけど、やっぱり音楽は楽しくやらないと!
※1:スピードコントロール
音程を変えずに再生速度を自由に調整できる機能。難しいフレーズをゆっくりから練習するときにも役立つ。
※2:一瞬の音を繰り返し聞く
一時停止した瞬間の音をくり返して再生することができる。くり返す音の位置や、音の長さの調整も可能だ。
重ね録音で録音した一つ一つのファイルをトラックごとに編集できればさらに色々できそうですね。 あとは、例えば一つの専用ウェブサービスのようなものを介してファイルのやり取りをして、他の人と重ね録音し合うことができればさらに楽しさが広がりそうです。転校しちゃった高校生のバンド仲間と、とか、海外の友だちと気軽に演奏のやり取りができる、とか。それってすごいことじゃないですか。誰でもこれだけ手軽に重ね録音ができるレッスンマスターだからこそ、そういった試みが可能になると思うんです。 使い方によってまだまだ面白いことが考えられそうです。レッスンマスターにはすでに機能が十分備わっているのだから、あとは使う側がどれだけテンションを上げられるかだと思いますね。RD-R20は最初に見たとき「え、これレコーダーなの?」という印象でしたが、使ってみると本当に手軽に使えるし色々なことができて楽しい。これは普通のレコーダーと一緒に考えないほうがいいですよ、楽しみ方の幅が違います。あ、せっかくラジオも付いているから、レッスンマスター専用番組とかつくっちゃうのはどうでしょう、「今週の重ね録音は友だち同士の〜」みたいな(笑)
Profile│北田 学 Manabu Kitada
即興演奏家。アコーディオンの伊藤志宏(普段はピアニスト)とのduoユニット「audace」を中心に活動。オリジナルの音楽はジャズとも民族音楽ともいえない独自のもの。audaceとしてアルバム「pass-port」をリリースしている。他にUA、小林建樹、伊藤志宏等のアルバムに参加。