クラリネットとピアノで演奏できる、クラシックの定番・名曲16選
みなさんこんにちは、あるいはこんばんは!ザ・クラリネット編集部です❅
寒くなってきましたね〜☃
急に寒くなると体調も崩しやすいですし、楽器も悲鳴を上げてしまいますよね😱
お体も楽器も、ご自愛なさってくださいね。
さて、オススメ楽譜紹介コーナー、今回で第3回目となります♪
前回の『ラプソディ・イン・ブルー』がシンフォニック・ジャズ、前々回は『宝島』でポップスでしたので……今回は少しジャンルを変えて、クラシックの曲集をご紹介します❗
「クラリネット名曲選 vol.1」と「クラリネット名曲選 vol.2」です!
この曲集は、時代も編成も様々なクラシックの名曲たちを、クラリネット&ピアノバージョンにアレンジして収録しています👏
いずれも有名な曲ばかりですので、例えばCMソングに使われていたり、映画やドラマの劇伴音楽に使われていたり、はたまた映画の中で演奏されていたり……
誰もが知っている、「なんだか聞き覚えがあるような?」楽曲たちを収録しています✊
では、実際に収録曲を見てみましょう!!
きっと全曲知っています、よね?
まずは、「vol.1」に収められている全8曲をご紹介します🎶
『セレナーデ』F.J.ハイドン
『メヌエット』L.V.ベートーヴェン
『メヌエット -アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳より-』J.S.バッハ
『セレナーデ』F.シューベルト
『タイスの瞑想曲』J.マスネ
『金婚式』G.マリー
『シチリアーノ』J.Sバッハ
『愛のあいさつ』E.エルガー
続いて「vol.2」の収録曲は以下の8曲。
『ガヴォット』F.J.ゴセック
『ユーモレスク』A.ドヴォルザーク
『子守唄』E.ケーラー
『シシリエンヌ』G.フォーレ
『セレナーデ』R.ドリーゴ
『トロイメライ』R.シューマン
『マドリガル』A.シモネッティ
『感傷的なワルツ』P.I.チャイコフスキー
有名な曲ばかりですね……!?
もし曲名だけではピンとこなくとも、どの曲も聴けばきっと分かるはずです。
なので、ちょっとそれぞれの曲の冒頭を聴いてみましょう👂
まずは、vol.1の収録曲から!
では引き続き、vol.2の収録曲に行ってみましょう☝
「あー、この曲か!」と、思わず膝を叩いてしまいますね!
クラシックや吹奏楽になじみの深い方でも、案外曲名を知らなかったことってありますよね?笑
この曲集に収録された曲は、いずれもクラシックにおける重要なレパートリーばかり。
せっかくの機会ですので、今回は各曲の解説をやって行きましょう✊
……しかし、がっちり全部やってしまうとこのコーナー16回分になってしまいます😂
なので、簡単にかいつまんで紹介します。
vol.1収録曲 -小曲から結婚式の余興まで-
『セレナーデ』F.J.ハイドン
交響曲の父として知られるハイドンが書いた(わけではないという説もあるとか!?)弦楽四重奏のための楽曲です。今回収録されているのは、通称『アンダンテ・カンタービレ』とも呼ばれる第2楽章。
幅広く、伸びやかなフレーズで彩られる一曲です。聴かせどころが多いので発表会の曲として、またコンサートのアンコールピースとしてもピッタリです👍
『メヌエット』L.V.ベートーヴェン
音楽史において最も偉大な作曲家の一人であり、「楽聖」と讃えられるベートーヴェンによるピアノのための作品『6つのメヌエット』より、『ト調のメヌエット』として単独での演奏機会も多い第2番を収録しました。穏やかで素朴な雰囲気は、まるでクラリネットのために書かれたかのように親和します。
ちなみに、クラリネットでも演奏しやすいようにト長調ではなく変ホ長調に移調された、いわば『変ホ調のメヌエット』と呼べるアレンジになっております。
『メヌエット -アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳より-』J.S.バッハ
ハイドンが交響曲の父なら、こちらは音楽の父。ベートーヴェンと並び、音楽史における極めて重要な作曲家の一人に数えられるJ.S.バッハ、通称大バッハが、妻であるアンナ・マグダレーナ・バッハに残した音楽帳に書かれていた一曲です。
ポップスのスタンダード・ナンバーである『ラヴァーズ・コンチェルト』の元になったことで、クラシックになじみのない方にも広く知られるようになりましたね。
ちなみに、この曲は長年大バッハの作曲と伝えられていましたが、後年の研究により真の作曲者が他にいることが判明しているのだとか。その辺りの事情を話すとこのコーナー2回分くらいになりそうなので、興味のある方は調べてみてくださいね。
『セレナーデ』F.シューベルト
『魔王』などで知られる歌曲の王シューベルト作曲のこの曲は、自身の遺作となった歌曲集『白鳥の歌』の第4曲目にあたります。
「セレナーデ」は、日本語では「小夜曲」とも訳されます。月の下で恋人を想うかのように物悲しく清廉なメロディは、思わず息を呑むほどに美しいです。
『タイスの瞑想曲』J.マスネ
マスネはフランスの作曲家で、歌劇のための作品を数多く残しました。この『タイスの瞑想曲』も歌劇『タイス』の中の一曲であり、バイオリン独奏とオーケストラによって奏されます。
その甘美なメロディが有名であり、映画「タイタニック」やドラマ「のだめカンタービレ」でもロマンチックなシーンで印象的に使われていマスネ!!
『金婚式』G.マリー
フランスの作曲家であるマリーが作曲した『チョロとピアノのための2つの小品』の2曲目です。原曲はチェロの独奏として書かれていますが、チェロの代わりにバイオリンでも多く演奏されています。
「金婚式」とは結婚50周年の記念日のこと。50年もの時を共に歩んできた二人を祝福するにふさわしい一曲です。
『シチリアーノ』J.S.バッハ
『メヌエット』に引き続き大バッハ作曲の『フルートソナタ』の第2楽章です。
……そしてこの曲は、近年の研究により大バッハの作曲ではないと判明しています。ですが、その美しいロマンチックなメロディは今日でも変わらず愛され、フルート以外の楽器でも度々演奏されます。
『愛のあいさつ』E.エルガー
エルガーはイギリスの作曲家です。『威風堂々』の作曲者と言えば分かる方も多いでしょうか?
自身の婚約記念に妻であるキャロライン・アリス・ロバーツへ捧げた曲で、愛妻家である彼の溢れんばかりの愛情が詰め込まれた、柔らかく愛おしい旋律が有名です。
結婚式の余興演奏でも定番のこの曲、愛する人へ送る曲としてはこの上ないですね😊
さて、以上でvol.1の曲紹介は終わりです🍵
……既に大ボリュームですが、続いてvol.2の曲紹介に参りましょう!!
vol.2収録曲 -あ、これ〇〇で使われている曲じゃん!!-
『ガヴォット』F.J.ゴセック
ゴセックはフランスで活躍したベルギー生まれの作曲家ですが、その名は日本ではあまり有名ではありません。しかしこの『ガヴォット』に関しては日本でも極めて高い知名度を誇ります。
バイオリンのためのかわいらしいこの小品、一体どれを紹介したらいいのか分からないくらい、とにかく様々なCMで使われております👍
『ユーモレスク』A.ドヴォルザーク
『交響曲第9番「新世界より」』などの代表曲を持つドヴォルザーク。彼が作曲したピアノのための小品集『8つのユーモレスク』の第7曲にあたるのがこの曲で、『ガヴォット』と同じく軽快に跳ね回るような旋律が特徴的な一曲です。
……そして、女性お笑いコンビ阿佐ヶ谷姉妹さんがモノマネのネタとしてよく歌われている曲でもあります。この曲を聴くたびに、お二人の顔が頭をよぎるのは私だけでしょうか😂
『子守唄』E.ケーラー
フルート奏者としても名高いケーラーによるフルートのための作品です。彼の書いたフルートのためのエチュードはフルート奏者にとってのバイブルとも呼べるもの。
この曲は子守唄ではありますが、彼の奏者としてのキャリアを感じられる、難解で吹き応えのある曲となっております✊広い音域を使い、様々なパッセージが出てくるこの曲。練習曲として取り組んでみてはいかがですか?
『シシリエンヌ』G.フォーレ
フォーレはフランス生まれで、サン・サーンスに師事し、ラヴェルに師事された作曲家です。
この『シシリエンヌ』はオーケストラのための作品ですが、近年ではピアノを初め様々な編成で演奏されています。どことなく哀愁をまとう旋律は憂いを帯びた雰囲気を出しやすく、様々な劇伴音楽やCMに使われています。ミドル世代の方なら焼酎のCMの曲だと言えば分かる方も多いのでは!?
『セレナーデ』R.ドリーゴ
イタリアで生まれ、その後ロシアで活躍した作曲家ドリーゴによる作品です。このセレナーデは、彼の書いたバレエ『アルレキナーダ(百万長者の道化師)』の第1幕で使われた楽曲で、それ単体で人気を博し、サロン音楽の定番となった曲です。
日本では、昭和13年に公開された往年の名画「愛染かつら」の重要なシーンで歌われたことで広く認知されたとのことです。この映画、その後も度々リメイクやドラマ化などされているそうなので、どこかで見たという方もいらっしゃるかもしれませんね。
『トロイメライ』R.シューマン
ロマン派を代表するドイツの作曲家であるシューマン。特にピアノ曲において名高い作曲家ですね。
この『トロイメライ』は、彼の代表作であるピアノのための小品集『子供の情景』の第7曲です。
「トロイメライ」を和訳すると「夢」。その名に違わぬ、幻想的な風景を持つこの曲は彼の最も有名な作品の一つと言えるでしょう。
また、今年公開された映画「百花」においてこの曲が大変重要な位置づけをされたことで話題を呼びました。映画を見て原田美枝子さんの演技に感涙を流したそこのあなた!ぜひクラリネットで、その感動を呼び戻してみませんか?
『マドリガル』A.シモネッティ
シモネッティはイタリアのヴァイオリニストであり作曲家です。先述したマスネに師事した作曲家であり、バイオリンをかのパガニーニに唯一教えを受けたシヴォリに師事したそうことです。
この『マドリガル』はヴァイオリンのための作品で、中世への郷愁を帯び、バロック期を回歴するかのような曲調で知られる彼の代表作です。
元がヴァイオリンであるためクラリネットとしてはやや高めの音域を用いていますが、ぜひ挑戦してみてくださいね✊
『感傷的なワルツ』P.I.チャイコフスキー
言わずと知れたロシアの作曲家の大家であり、交響曲を初め数々のジャンルにおいて優れた楽曲を数多く生み出した偉大な作曲家です。『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』のいわゆる三大バレエは誰もが知るところですね。
この曲はチャイコフスキーの書いたピアノ曲『6つの小品』の第6曲目です。感傷的と付くだけに、チャイコフスキーらしい憂いを含んだ美しい一曲となっています。
以上、名曲選に収められた全16曲の簡単な解説でした!
本当に、重要なレパートリーしか入っておりませんね😆
文中でも述べましたが、ジャンルも難易度もとりどりにそろっておりますので、例えばコンサートピースや発表会での選曲として、結婚式などの余興で一曲吹きたいときに、レッスンの教材や練習用のエチュード代わりに、ただ好きな曲があるから……などなど、幅広い場面でお使いいただけます👍
え、プロの演奏で全曲聴ける上に演奏の手引まで掲載!?
さてさて、ここまでは収録曲の解説に終始して参りましたが、さらにこの曲集のポイントを二つご紹介しましょう!
まず一つは、プロ・クラリネット奏者の方による演奏の手引が掲載されていることです。
vol.1は東京フィルハーモニー交響楽団で活躍されている黒尾文恵さん、vol.2は東京佼成ウインドオーケストラで活躍されている大浦綾子さんが、演奏の上でのポイントやフレージングなど、どのように歌いこむかを中心に解説してくださっています✊
アーティキュレーションを表現するためのコツやフォルテの捉え方といったお話は、他の曲を演奏する際にも活きること間違いなしです!
そして、もう一つの大きなポイント……それは、今回の曲集には収録されている全16曲の模範演奏CDが付いてくることです❗💿
この記事の上の方では参考音源の冒頭部分が聴けましたよね?あの美麗なる音源のフルバージョンを聴くことができるのです!
演奏はもちろん黒尾さんと大浦さん、そしてピアノ伴奏を担当してくださるのはピアニストとして数々のオーケストラとの共演経験がある出羽真理さんです✨
お三方による素晴らしい演奏は、もはやそれだけで必聴モノ❗
さらに、模範演奏に加えピアノ伴奏のみのバージョンもご用意!一人でも出羽さんによる伴奏つきで練習できます👍
一冊で二度も三度も美味しいこの「クラリネット名曲選」。発刊当時より今日に至るまでの長きに渡り、多くの奏者さんからご愛好いただいている曲集です。
興味があればぜひぜひ、チェックしてみてくださいね😆
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クラリネット名曲選 vol.1 クラリネット名曲選 vol.2
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それでは、今回もそろそろ幕を閉じたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました❗また次回もお楽しみに✨