vol.5「オススメエチュード」「力を抜きたい」
オススメ教えてください
初心者向けのエチュードや楽譜、毎日の練習方法などを教えてください。
(三重県・Kukoさん)
練習するときはイメージを持って!
Kukoさん、こんにちは! 山手です。
クラリネットを始められ、周りの先輩から様々な指導を受け、音が出せるようになる。そしてその音の出す範囲も広がり、楽しくなってきたころでしょうか!
毎日の練習を大きく分けると、リード選び、ロングトーン、スケール、エチュードに取り組むことに分けられます。エチュードは本当に良いものがたくさん出ておりますが、比較的手に入りやすいものをいくつかご紹介しましょう。
入門としてのエチュード
○「クラリネットメソード」角田晃
丁寧な説明と練習曲、やさしいスケールで構成、二〜三重奏曲も含まれアンサンブルの練習にもなります。
○「クラリネット教則本」大橋幸夫
初級〜中上級まで幅広く、エチュードのみならず、歴史、楽典、様々なスケールも掲載。
入門エチュードと並行して
○「朝練」鈴木良昭
朝練習に相応しいデイリートレーニングエチュードも参考にすると、次へのよりよいステップとなっていくでしょう。
スケールでオススメしたいのは
○「24Varied Scales and Exercises」J.B.ALBERT
2オクターブのほどよいスケールで、代表的なスケール練習のパターンが載っています。この先様々な重要な役目を果たしていく、とても基本的なスタイルですので、ぜひ参考にしてください。
もしピアノを弾ける方が近くにいらしたら、伴奏つきで曲を吹くことができる曲集もご紹介しておきましょう。
○「La Clarinette Classique」のVol.AまたはB。Jacques Lancelot
毎日の練習として、ロングトーンでは特にアンブシュアを安定させていき、同時に音程も確認します。
この時にただ発音するだけではなく、出したい音(音程)をイメージ(頭の中に響かせ)して音を鳴らせるといいですね。そして丁寧な発音と音の処理を。スケールではフレーズ感を持ち、スラーとタンギングのパターンにも取り組みましょう。上記資料から様々な練習曲にも挑戦してくださいね。
力が入ってしまいます
速い指回しの時に、ひじから先に力が入ってしまいます。脱力、脱力と常に考えるようにしていますが脱力の良い方法などはあるのでしょうか。
(大阪府・mamaさん)
空中で指だけさらうと……
中村めぐみです。力の入る原因を見つけましょう。
肘から先に力が入るのは、何か原因があるはず。それを改善せずに脱力だけを試みても、うまくいかないと思います。まず、楽器をどう支えているかチェック。右手の親指とその上下の歯の距離を固定できていれば、必要以上に力の入っていない理想的な状態になるはずです。
右手の親指と歯で楽器をつっかえ棒のように挟んでみましょう。壁と壁の間に荷物をぶら下げるために取り付けるつっぱり棒を想像してください。向かい合った壁が上の歯と親指、つっぱり棒が楽器です。
また、マウスピースをよい場所でセットできるくらいに、上下の歯を開いた状態になるよう、顎でマウスピースを固定します。これはいわゆる噛む力とは違い、右手と歯のつっぱり棒として固定された楽器(と、その先についているマウスピース)が必要以上に口の中に入ってしまわないように、顎をロックし口の開きを固定する役目をしているのです。
難しくない所を吹いている時に指の第一関節がへこんでいたら、力を入れて楽器を握ってしまっているというサイン。指もキィの一部と考え、穴を塞いでいる時もそうでない時も同じ形がよいのです。第一関節がへこんでしまうと、レガートのパッセージでリードミスをする原因にもなります。穴を塞ぐのに時差が出るからです。
右手親指以外をまったく楽器に触れない状態で、音が揺れないように聴きながら解放の実音Fのロングトーンをするのがおすすめです。その時、誰かにベルを少し下に引っ張ってもらっても楽器が動かなければ合格です。
特に難しいパッセージを吹く時は注意しましょう。ゆっくりさらう時から解放のFをロングトーンする時の安定を思い出し、指の形を整えて、力の入れ具合を変えてみてください。
また楽器をくわえずに、両手だけで難しいパッセージのフィンガリングをやってみて、楽器が右手親指を中心に振り子のように大きく揺れるようなら、穴を塞ぐ以上の指の力で楽器を押してしまっている証拠。
この確認方法は結構効き目がありますよ。くわえていないわけですから少しはどうしても動いてしまいますが、できるだけ楽器が動かないように、空中で指だけでさらったあと、同じように指を動かす意識で楽器を吹いてみてください。
<Q.学生自体の夏の想い出を教えてください>