vol.10「どんな練習をしていたの?」
どんな練習をしていたの?
こんにちは。私は中村めぐみさんの小学校の後輩です。中村さんのようになりたくて、中学校の部活でクラリネットを吹いているのですが、なかなか上手くなりません。中村さんが小中学生のときはどんな人だったのですか。またどんな練習をしていましたか。
(東京都・武蔵台っこさん)
昨日よりもできることを一つ増やす
武蔵台っこさん、こんにちは! 中村めぐみです。
後輩からの質問、とてもうれしく思います。
私は小2のころからリコーダーにはまっていて、小3で武蔵台に転校し、吹奏楽を見た瞬間から入る決意をしました。私にとって担当したクラリネットは無限大に夢が広がる魅力に満ちた存在でした。リコーダーよりもいろんなことができる、どんな音が出せるか、どんな旋律が吹けるかいろんなことに興味津々でした。
まず全音から出版されていたクローゼの分厚いエチュードを2冊、小5の時に購入し、片っ端から吹きまくり、フルートの子と遊び感覚で読み替えてデュエット。スコアも購入しオケや室内楽のレコード(古い!)に合わせて吹き、疑似体験に満悦、高い音を出しては先輩にまだ早い! と怒られ、しまいには楽器の仕組みが面白くて分解し音が出なくなり修理に走り、中学生のころにはプロに弟子入りする夢ばかり見ていました。
プロになりたいとは思っていませんでしたが、なにしろ興味があったんです。内向的な性格で黙々と一人で吹いているタイプだったと思います。誰一人私がプロになるなんて思いもしなかったでしょうね~。自分でも不思議です。
そのころの私は、上手くなりたいと思っていなかったかもしれません。自分には何ができるのかということに興味を持ち続けていた時期でした。武蔵台っこさん、上手くならないなんてことは決してありません。小さいことでいいんです! 一音でもいい、昨日の自分にはできなかったことが、今日の自分にはできるようになり、それを諦めず続けていけば、絶対に上手くなりますよ。常に少しだけ上を向き続ける、今の私も続けていることです。
プロになった今、そのころは想像しなかったプレッシャーや、いろんな壁にぶち当たり挫折をすることもしょっちゅうですが、この原稿を書いて純粋にクラと自分自身と向き合っていた気持ちが蘇りました。武蔵台っこさんに感謝感謝です。今の私は上手くなりたい! と強く思い続けています。お互い頑張りましょうね。
〜シエナ・ウインド・オーケストラ 初沖縄上陸の想い出〜