クラリネット記事 vol.13「割れ対策」
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シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.13「割れ対策」

奏者が気をつける割れ対策とは……

最近、学校の先輩の楽器が2本続けて割れました。合奏の片付けなどで仕方なく、すぐにスワブを通せないこともあったのですが、気をつけていたのにショックです。プロの方は練習や本番に忙しいと思いますが、普段気をつけている割れ対策って何かありますか?
(東京都・ARIAさん)

ARIAさんこんにちは! 山手寿子です。

まずどうしてそうなってしまったのか考えてみましょう。
……あれは私が大学生の冬、クラリネットオーケストラの合奏中にスタジオが段々寒くなってきました。どうも暖房が壊れてしまったのです。あまりに寒く楽器に影響があってはと練習中止。
しかしながら一歩遅し……。私の楽器上管に亀裂が……そうです。外気は冷たく、管内は息を吹き込むため温まり木が膨張。寒いスタジオでは楽器の外側は冷えて収縮し、この温度差によってヒビが入ってしまったと考えられます。
以前のQ&Aで私がスワブ通しの大切さをお伝えしましたが、室温がある程度保たれていても、乾燥した部屋やらスワブを長時間通さずにいると管内に水分が溜まります。すると内部湿度が増してさらに膨張。外部乾燥との急激な湿度差がヒビ割れの原因となります。外で吹いたり、教室の移動時にも冷える……、いかがでしょう? 何か思い当たることがありますか?
では対策を考えてみましょう。寒い時季にはケース内の管体もとても冷えていますので、まずは室温を整え楽器を室温に慣らしましょう。
特に上管上部は温かい息が吹き込まれると温度差が発生しやすい部分ですから、この辺りから手の平で優しく覆い少しずつ温めていくのも良いと思います。
演奏中もこまめにスワブを通してください。その際、数回に一度はジョイントコルク受けの溝に溜まった水分も拭き取りましょう。濡れタオルを干して乾燥を防ぐのも良し。管体(木)は生きています! とてもデリケートですからしっかりケアしていってあげてくださいね!

 

〜Q.卒業の思い出は?〜

(左から)●山手寿子 卒業式といえば……第2ボタン♪ 甘酸っぱい想い出~! ●近藤 薫 たくさん献血したので高校卒業式で表彰されるはずが……、当日は大学受験日で欠席。好きです!献血。
「シエナ・ウインド・オーケストラ20周年記念演奏会」の一幕

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