vol.14「楽器の調整のタイミング」
楽器の調整のタイミング
大人になり趣味で始めたクラリネット。楽器を購入して1年が経ち、無料調整期間も終わりました。楽器屋さんはいつでも調整に持ってきてくださいと言ってくださいましたが、実際どれくらいで調整する必要があるのか分かりません。みなさんはどのようなタイミングで楽器を調整に出しますか。
(東京都 不惑のクラ吹きさん)
不惑のクラ吹きさん、こんにちは~中村めぐみです。
クラリネットは、木でできている楽器ですね。調子が悪くなる原因の一つ目は、湿気と温度の変化に伴い木は伸び縮みしますが、金属のキィは同じ変化をしないこと。二つ目は柔らかい素材のタンポが湿ったり乾いたり……の繰り返しにより劣化し、気密性が悪くなることによります。
私は、①過酷で連日続く本番の前後、②季節の変わり目を過ごした後、③できるはずのことがしにくくなったり、いくら吹き込んでも重たく、鳴らなくなる気がする時。この三つのどれかに当てはまったらすぐに調整に行きます。
それほど神経質になることもないかなと思います。でも例えば重いリードは苦しいし、軽いリードは音色が潰れ、いいリードがちっとも見つからない、なんて時は、よほど吹きにくいマウスピースやすごく古いリガチャーを使っているのでなければ楽器の調子が悪い(特に上管のタンポの塞がりが弱い)ことが考えられるのですぐに調整を。
また、桜が散るころ(人の体も緩む季節)、急に乾燥を始める季節などは、楽器も悲鳴を上げることが多いです。
一番の目安は、自分自身が「あれー? 吹きにくいなぁ」と感じる時ですね。吹きにくいことをまず楽器のせいにしちゃうんです。楽器を見てもらって悪くないなら自分の奏法を根本的に見直したり、マウスピースは大丈夫かしらとか、リガチャーが古くなったかななど、工夫するチャンスになりますね。
それから、じっくり楽器を眺めるのもいいですよ。「あれ、このタンポ破れてるじゃん!」なんて発見するかもしれません。タンポは塞がっていれば変色などは問題ないですが、破れているのは完全にNGです。
不惑さんのクラリネットライフに当てはめて、参考にしてみてくださいね。
〜Q.卒業の思い出は?〜