クラリネット記事 vol.17「聴いたあとは何をすればいい?」
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シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.17「聴いたあとは何をすればいい?」

聴いた後は何をすればいい?

私は今まで楽器を扱ったことがない中、去年からクラリネットを始めた大学2年生です。私の入ったのはジャズサークルで、バンドを組んでいます。まだ音はきれいに鳴らないし、発表会ではピーピー鳴ってしまう始末で、リズムもバンドのメンバーと合わせられず困っています。私は北村英治さんのような音色を目指しています。
音をきれいにするために、自分の好きなクラリネット奏者の音を聴くといいとよく言われますが、聴いた後はどういうことをすれば目指す音が出せるようになりますか? またバンドのメンバーとリズムを合わせるにはどうしたらいいでしょうか。
(大阪府・Y.K.さん)

Y.K.さん、こんにちは! 中村めぐみです。

まず、身体(楽器の支え方、アンブシュアの形、口の中、身体の内側の空間など)も、楽器の一部であるという発想を持ってみてください。きれいな音が出ないときは、良くない吹き方(唇でリードの振動を止めながら無理矢理息をぶつけていたり、リードの振動の状態が不安定なままファジーに吹いていたりと、可能性はいろいろですが)をしているということです。またピーピーとした音が出るのは、発音した瞬間とその後でアンブシュアが動いてしまっていることなどが原因と考えられます。

このようなトラブルを防ぐために、基礎練習が必要不可欠です。正しく効率のよいアンブシュアの形を探りながら、まずはロングトーンをしましょう。北村さんの音をよくイメージした上で、一つの音を長く伸ばしてみてください。例えばメトロノームをテンポ60にして、10拍伸ばして2拍休む、ということを繰り返し、低い音から高い音まで行ないます。また倍音のロングトーンなどもやるといいですね。

音は揺れずにまっすぐ伸びているでしょうか? 顎が動いたり下唇が変化したり、息が揺れていると、音に表われます。そんなときは楽器をくわえずに、顔の筋肉と顎の安定のみで薄く変化しにくい下唇を作り、リードと下唇の関係がなるべく一定になるよう練習しましょう
また、楽器がゆらゆら揺れてしまわないよう、右手親指と上下の歯の距離を安定させて挟むイメージを持って固定することも大切です。ここですべてを説明するにはスペースが足りないので残念です。基礎だけでもプロのレッスンを受けるのが一番近道かもしれません。
とにかく、良い音が出る自分の身体の形を見つけることです。

みなさんとリズムが合わないのは、一人で吹いた時に音符と休符の長さが正確でなく、テンポをつくれないことが原因と考えられます。譜面があるならば、メトロノームを鳴らしながら演奏し、時間の歪みを知り、それを修正した上でアンサンブルに参加してください。

基礎練習は私たちも欠かさず続けています。お互い頑張りましょう!

左から山手寿子、中村めぐみ、近藤薫、黒岩真美、飯島泉、京谷麻里子、原山佐保子、佐々木理恵の各氏

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