クラリネット記事 vol.23「独学のクセを抜くには?」
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シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.23「独学のクセを抜くには?」

Q 独学のクセを抜くには?

60の手習いでクラリネットを始めました。独学3年、現在は個人レッスンを受けている、65歳女性です。独学時代についた悪いクセが抜けず、木管独特の流れるようなやさしい音色が出ません。指に力が入りすぎて、特に左の薬指、小指が自由に動きません。自然体で演奏できるようなアドバイスをお願いします。(千葉県・sakoさん)

sakoさま、こんにちは! 中村めぐみです

ご質問を拝見し、まず思い当たる原因があります。それは、楽器の支え方にリスクがあるのではという点です。音色が安定しないのは、振動するリードの長さが管理されていない、また力が入るのは、指で楽器を握って固定しているのでは、と想像されるのです。まずは以下のことをトライしてみてください!

まず、楽器をくわえずに上下の歯を少し開けた状態にして、顎で固定してください。指で下の歯を押し下げても開かないように。次に下の歯に薄く唇をかぶせ、歯の距離を決して動かさず、楽器を差し込んでください。右手親指で楽器が口の中に入るように押し上げてみたとき、歯の距離が変わらなければ楽器は口に入っていかないはずですね。楽器は、上下の歯と親指の距離を決めて挟んで支えるのです

次に、右手親指以外は一切楽器に触れず、解放のソのロングトーンをしてみましょう。音が揺れなければまずは合格です。上下の歯の幅と親指の距離さえ動かなければ、口の中に入っているリードの長さも変わらないはずです。音が揺れてしまう時はさらにその点に気をつけて、ロングトーンを重ねてください。親指だけで押し上げるのに不安定さを感じるようでしたら、ストラップを使用することもお勧めです。

解放のソの音が安定してきたら、一つずつ音を下げてロングトーンを繰り返します。この時、指の第一関節がへこんでいたら要注意、楽器を握っている証拠です。第一関節は何も触れずに、へこませられないですよね。
ここは忍耐のいる練習ですが、必ず良くなります、

それでも音が固い場合は他の原因も考えられます。下唇でリードの振動を止めて無理やり吹いているとか、口の中のリードの長さが十分でないとか、いろいろですが、せっかく先生が側にいらっしゃるので、先生の吹き方を観察したり、相談に乗ってもらうようにしましょう。

ここにすべてを書ききれないのがもどかしいです! でもどうかロングトーンはやってください
体の形(アンブシュア、口の中の空間、親指の位置など)も楽器の一部で、これが動いたり不安定だったりしたら音に表れるのです。楽器を組み立てるのと同じこと、自分の体を良い楽器に組み立てていく意識を持ってロングトーンをやると、いろんな発見があるはず。

私も毎日自分の吹き方を観察し続けています。一緒に頑張りましょう!


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