vol.24「音大に行きたい!」
音大に行きたい!
こんにちは。いつかはクラリネット奏者になりたいと思っている中学2年生です。本当は高校も音楽高校に行きたいのですが、今は中高一貫校なので高校は今の学校にそのまま進むつもりでいます。でも大学は音楽大学に行きたい!と思っています。ところが両親はなかなか賛成してくれません。シエナのみなさんは、音大に進むときに反対されましたか? どんなふうに説得したか教えてください!
(大阪府・まるみさん)
近藤ですヽ(^^)
私も反対されましたよぉ、思いっきり……。
なにしろ我が家にとって音大なんてまったく未知の世界。現実的問題として、お金がかかるらしい……って、どんなにかかるのか? レッスンは誰に習えばいいのか……?
両親にも私自身にもよくわからないことばかりで、反対されても当然だったかな……。あとで述べますが受験きっかけがちょっといい加減だったし。
でも、まるみさんはクラリネット奏者になりたいという明確な夢と希望があるのだから、本気ならばとことんまで両親に話すべし!
高校一年生のときは私クラリネット吹いていません……楽器は辞めていました。昔の言い方になりますが、スチュワーデスさんになりたい!と思い、その方向で考えていたはずが、中学の同級生が「私、音大受けるんだぁ」というのを聞き、心にしまっていたクラリネットへの想いが復活! そこから急にヤケボックリに火がついた私。
さてさて、楽器すら持ってないし、いきなり「音大行きたい!」と言い出す私なんかには、両親も協力的でなく、自分でなんとか進めよう!と、中学の部活の顧問の先生に電話。腰は重いけど心が決まるとやたら積極的な私です(^_-) すでに違う学校に異動しているにもかかわらず、学校のクラリネットを貸してくださいました先生には本当に感謝。
先生からも両親にお話しいただき、クラリネットの先生までも紹介いただき、私も毎日シツコク涙ながらにクラリネットを勉強したいと訴えつづけました。クラリネットが勉強したい! お小遣いなんていらないからレッスンに通わせて!と。
一人で、楽器と師匠の手配をしたのが効果あったみたいです。友人を通して、ピアノとソルフェージュの先生も探しましたよ。で、一年のブランクがあるものの音楽大学目指す準備が整いました。両親との約束は「うちは私立にいくお金はない! 国公立で頑張れ」。
受験を認めてもらった後も、なるべくお金がかからないようにと、ソルフェージュの日頃の訓練は、友だちにピアノを弾いてもらい、録音した手作り教材で頑張りました。「ウチは私立は無理」と言われても結果はわかんないし、とりあえず受験を認めてもらうためには「わかった!」というしかないし、レッスン関係以外は節約、節約でした。
ソルフェージュの手作り教材はもちろん、センター試験向けの普通の学科は自力で勉強!……って、音大はセンターさえ受けていたら足キリ無しでしたけど f(^_^)
なんだかんだ言いつつ、親は子供を応援したい気持ちがとってもあると思います。でもそれ以上に心配もあって、大学卒業後の将来のこと、才能とか本気度とか……。まるみさんがやりたいなら、言い続けるしかない! もちろん両親が納得するように態度でも示さないとですね。ご家庭それぞれで条件に限りがありますけど、まるみさんの気持ちがどれだけ強いか、ソコだと思います。
ただ、受験前から厳しいことを言って心苦しいですが、音大を卒業したからといってそれで何?ということにもなりかねません。夢が叶うまで今の気持ちを持ち続けるのは並大抵のことではないと思います。
「夢は願い続ければ叶う」
──ベルリンフィルを指揮するという夢を、50歳にして叶えた佐渡さんの言葉。
願うだけではもちろんだめで、そこに向かってどう取り組むか。
まるみさん、踏ん張ってくださいね。