vol.26「アルトクラリネットの練習法は?」
アルトクラリネットの練習法は?
こんにちは。今度学校の定期演奏会でアルトクラリネットを担当することになりました。今までバスクラは吹いたことがありましたが、アルトクラリネットは初めてなので不安です。吹くときのコツや特別な練習法などがあったら教えてください。
(東京都・Mikaさん)
こんにちは!原山佐保子です。
私はB♭管、アルトクラ、バスクラともどの楽器も同じようにスケールを練習しますし、曲も同じように練習しています。
バスクラとアルトクラ、音の高さ以外で2つの楽器の大きく違う所は、指の間隔と調性です。
指の間隔は、なんとバスクラよりも広いです。それに右腕もだいぶ下に構えるため右手が少し使いづらいですね。練習をする時に指が動きにくい部分を、確実にできるくらいゆっくりのテンポから練習して感覚をつかんでください。また無理な姿勢にならないよう、ストラップやエンドピンはいつも良い姿勢で、丁寧に長さ調整しておきましょう。
音程はB♭管の楽器からE♭管に持ち替えた時、音の感覚が違って迷うことがあります。楽器によっても個性がありますし、個人練習の時にまめにチューナーを使って楽器のクセをよく知っておくといいですね。
チューニングは、開放の記音Gから高音、低音へとバランスよくあわせてください。高音は音程が高くなりやすいので、アンブシュアがきつくならないように気をつけて。低音はしっかり息の圧力を保って鳴らしましょう。
アルトクラの魅力は、何と言っても柔らかい音色です。ただ、あまり大きな音は出ませんので息のコントロールが大事です。余分な力が入ったり息を入れすぎてしまうと、途端に鳴らなくなってしまいます。
また曲中、アルトクラと他の楽器の音をブレンドすることで、音量だけでなくより豊かな音色を期待するような使われ方をよくされていますので、まわりの音をよく聴いてみてください。クラリネット属や他の木管とのアンサンブルだけでなく、金管と一緒に吹くことも多いです。自分の立ち位置といいますか、今どの楽器と同じことをしているか、どの楽器とハーモニーを作っているかよく聴いて、各楽器と良いブレンドができると、とても楽しいですね。
時にはソロでアルトクラとしての音色を求められることもあります。どんな時もアルトの良さが充分出せる音が出るように、日々トレーニングしましょう。
わがままで繊細なアルトクラですが魅力ある楽器です。この機会に仲良くなって楽しく吹いてください!