vol.31「E♭クラとB♭クラ」「オケ奏者になりたい」
E♭クラとB♭クラ
私はE♭クラとB♭クラを持ち替えで吹いています。E♭クラからB♭クラに持ち替えるのは問題ないように思いますが、B♭クラからE♭クラへの持ち替えが上手くいかず、E♭クラでは最初からいい音が出せません。持ち替えのコツはありますか? またアンブシュアのコツもお願いします。
(北海道・瑞樹さん)
木内倫子です。
持ち替え…難しいですよね。とはいえ、どちらも同じクラリネットですから、あまり苦手意識を持たずに!
まず、E♭クラだけで吹いたときと、B♭管から持ち替えたときに何が違うのかを自分で見つけることが大切だと思います。逆はうまくいくのだとしたら、もしかしたら、マウスピースが小さいからといって必要以上に強く噛んでしまっているのかも。強めに噛むという意識はあまり持たなくていいと思います。少ししっかりくわえるくらいで大丈夫なので、間違ってもリードとマウスピースの間の隙間を潰してしまうようなアンブシュアにはしないでください。
アンブシュアも大切ですが、私はアンブシュアよりも息のスピードや圧力に気を付けます。B♭管の時よりも速い、ピーンと張ったような息をイメージしてください。B♭管の高音域で使うような息に近いかな。
あとは、E♭クラでのロングトーンやスケールを日課にして、B♭管と同じくらい慣れるのも大事です。自分なりのコツを見つけられれば、持ち替えだからといって構えずにできると思います!
答えになったでしょうか……頑張ってください! 私も頑張ります!
オーケストラ奏者を目指しています
某音楽大学の学生です。将来はみなさんのようにプロの吹奏楽団かオーケストラの団員になることが夢です。機会があればオーディションもどんどん受けたいと思っています。オーディションではどんな心構えで望むべきでしょうか? シエナ・クラッツのみなさんのオーディションのエピソードなども聴きたいです。
(千葉県・M.Sさん)
MSさん、こんにちは。中村めぐみです。
音大生の方なら事情はよくご存じかと思います。オーディションはオーケストラに欠員が出たときに行なわれるので、毎年あるものでもなく、コンクールなどと違い、ソロだけでなく、オーケストラスタディ(オーケストラのレパートリーの中で重要なクラリネットのソロ、モチーフをピックアップしたもの)を吹くときの説得力も問われ、なおかつ各オケに必要とされる音楽感や音色など様々にあらゆる角度での準備が必要ですよね。募集が一番奏者、二番奏者、特殊管奏者などの違いからも要求が変わります。
アンサンブル能力、なるべくたくさんの曲の演奏経験値など、常日頃からのスキルアップが大事なのは、MSさんの先生も話されているかと想像します。
私は卒業と同時にオーディションを受け、シエナに入団するというとてもラッキーな運命でした。そのあとオーディションを行なう側になったわけですが、素晴らしい方がたくさん受けてくださり、こちらも緊張し感謝しながら聴かせていただいています。
準備が万全なうえに、「シエナで演奏したい」という強い思いが音に詰まっている方が通ってくださったと感じています。
受けるオケを聴いて、よく知っていくことも大事かもしれません。
ただチャレンジし続けるだけでは中々難しいのがオーディションです。いろんな奏者、先生からたくさんのヒントをもらって自分をピカピカに磨いて頑張ってください!