vol.41「抜けの悪い音」「他の楽器との音程」
抜けない音
真ん中のA♭の音が抜けないと指揮者に怒られます。いいA♭を出すために必要なことはなんでしょうか?
(大阪府・みりさん)
みりさんこんにちは! 佐々木理恵です。
まずはじめに、A♭というのは実音で、クラリネットの記譜のB♭ですよね。そのつもりでお話しさせていただきますね。
クラリネットの真ん中の記譜のB♭は音色や音程も良くないし吹き心地も良くない、吹いていて楽しくない音ですよね。まず楽器のことですが、真ん中のAのキィのトーンホールには埃やスワブの繊維が水分と混ざって汚れが付着します。それが原因で音抜けが悪くなるので定期的にリペアの方にお掃除してもらいましょう。あとレジスターキィのタンポを角を落としたコルクに替えてもらいましょう。これだけでだいぶ音抜けが良くなります(写真参照)。
そしてまずチューナーを見ながら正しい指使い+右手のトーンホールを3つともふさいで音を出してみましょう。そうするといつもより音がクリアになり音程が下がります。音程がまだ高ければ右手Cのキィ→左手薬指の順番に押さえてみましょう。逆に音程が低くなりすぎた場合は右手の3つのトーンホールのどれかを開けてみます。チューナーを見ながら自分はどの指をふさげばB♭が良い音になるか探してみましょう!
良い音が見つかったらその指使いでひたすらロングトーン! そうするとさらに音が安定してきますよ。
他の楽器との音程
クラリネットだけのユニゾンでは音程が合っているのですが、途中からトランペットなど他の楽器が入ってきたら微妙な音程になります。他の楽器が途中から入ってきたら、そちらに合わせるべきですか?
(静岡県・しおりのママさん)
黒岩真美ですっ(^-^ゞ
どんな曲のどんな所で、どの楽器と、どんなセッティングかにもよりますが、大体自分より後ろから聞こえてくる音には合わせるようにします。ただトランペットや他の楽器の音程がありえないほど外れてる場合は、悪気なくそうなっていることが多いので、セクション練習をしてみてください。
各楽器のクセもありますが、一番コントロールしにくい楽器に合わせるなどの配慮も必要です。そういうことを知るためにセクションで練習し、意見交換をすると自分たちがどうすればいいのかもわかるし、この楽器に合わせようという気持ちにもなれると思います。
楽器の音程、心の音程が合うようになるといいですね。すべての演奏者がそんなアンテナを張って意識すれば、クラリネットの皆さんももちろん、全体的に吹きやすくなると思います!! これからも頑張ってくださいね♪