クラリネット記事 vol.42「音程の高い低いとは?」「レから上の音程」
[1ページ目]
シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.42「音程の高い低いとは?」「レから上の音程」

音程の高い低いとは?

合奏前にハーモニーディレクターで音程を合わせるのですが、音の高い低いがわかりません。耳が悪いのでしょうか? 良い方法があったら教えてください。
(福岡県・あんずさん)

あんずさんこんにちは! 山手寿子です。

これは耳の鍛え方によって徐々につかめていけます。音程の違いというものをいろいろ体感してみることからはじめましょう。
学校にコントラバスはありますか? あるいはギターを貸してもらえるといいですね。弦楽器が調弦をする時の感覚を体感してみましょう。緩めた状態から弦を締めながら合わせていくのです。この「下から音がぴったり合うまでの間」を体感できる環境があればとてもわかりやすく、この作業で同時に自身の声で歌ってみる訓練をするのもよいでしょう。次第に低い響きがつかめてきます。
そして本来のクラリネットでは、すべてのジョイント(3ヶ所)を5ミリくらいずつ抜き、基本となる音(標準的に442Hz。学校吹奏楽ではB♭が多いですね)をハーモニーディレクターやクラリネットの先輩に吹いてもらい、その音を頭の中で鳴らし、イメージしてあなたの音を吹いて重ねてみましょう。
これは、適正な室温ではあなたの音が大きな波(周波数)として聞こえ(見え)、低く聞こえる状態です。高低の前に、音が合っていない状況で起こる「うねり」が解ることが大切です
そして引き続き基本となる音を鳴らしてもらいつつ、それを自分の頭の中で歌い、徐々に抜いたジョイントを詰めては吹き、詰めては吹きを続ける……すると基本の音に寄りたくなる体、耳が出来上がってきます。これらが体感できると、細かい周波数の高い音もその違いから浮き上がって聞こえてくるでしょう(下図参照)。
音合わせは上から下げるよりも、下から上げて合わせたほうが本来基準とする音程に最も正確に合わせやすいです。たくさん体感し体と耳で覚えていきましょう!

高低の波が基本の音に合うと線は一直線となる

レから上の音程

1stを一緒に吹いている先輩とレから上の音が合いません。フルートとも合いません。どうしたらいいでしょうか?
(神奈川県・くっつんさん)

くっつんさん、こんにちは(^-^)近藤です。

音程が合わないと、ストレスを感じて気になって思いきった演奏ができないですよね。正しい奏法ができているならどの音域も基本的には合うはず。でも微調整が必要な時はあります。そんな時に良い音程を瞬時に判断し寄り添える能力が身についているのが理想ですが、それが難しいならば自分の音程の癖を把握しておけば対応しやすいですね。
音程の違いは基本的には高いか低いか……なので、一度チューナーを見ながら(他人に見てもらうほうが癖がより分かりやすい)音階をロングトーンしてみましょう。明らかに高音だけが下がるようなら、その時のアンブシュアや息の入れ方を見直す必要があります。必要以上に口が締まったり緩んだり、息のスピードや方向が不安定だったりしていませんか? タルやベルの抜き具合も関係しているかもしれません。
ただし、チューナーとはピッタリでも美しいハーモニーは響きません。「楽器は道具にすぎず、音程は自分が作り出すもの」です。指使いが合っていても出したい音が頭の中にイメージできていないなら「レみたいな音」「おおよそミな音」しか出ません。どんな音程を想像して吹くかがとても大切なことなのです。
また、先輩や他パートと合わないところは遠慮なく「ここが上手くいかないので一緒に吹いてください」と頼んでみましょう。合奏の苦手部分を取り出した練習で上手くいくコツがつかめたら思いきって演奏できます。
そして、合奏中にアンテナをたくさん張って周りの情報を得て演奏するのも大事なこと。上手くいってないことに気がついたのは最大のチャンスです! くっつんさん、応援していますよ。


クラリネット ブランド