クラリネット記事 vol.45「奥歯が痛く……」「みんなで基礎練習」
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シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.45「奥歯が痛く……」「みんなで基礎練習」

奥歯が痛くなるのはどうして?

クラリネットを始めて半年経ちました。楽器を吹くのは楽しいのですが、奥歯が痛くなります。練習が終わった後、あごが痛くなってつらいです。力が入りすぎているのでしょうか。
(ちーやんさん 東京都 10代女性)

こんにちは、原山佐保子です。

顎に痛みがあるとのこと、辛いですね。
身体の痛みについては専門のお医者様に訊くのが一番かな……と思いますが、ちーやんさんのために私にできることとして、まず楽器の吹き方の点検をしましょう。
人はそれぞれ骨格も違いますし、あごの形も歯並びも違います。クラリネットはどうしても下あごを引いた形に咥えて吹きますので、歯やあごの形によっては吹く時に無理がかかって力が入ってしまうこともあるようです。
上の歯が下の歯にかぶっている時は、楽器の角度をあまり大きくしないほうが良いですし、反対に下の歯がかぶっている時は楽器を少し前に出すようにすると吹きやすいようです。
それから吹いている時の下あごの使い方にも気をつけましょう。クラリネットを吹く時にあごの力が上に向かって使われている(リードをきつく噛んでいる状態ですね)と、あご全体にも必要以上に力が入りやすいです。あごがよく言われる「梅干し」にならないよう気をつけてくださいね。でももし、吹き方の点検をしても痛みが治まらないようでしたら、その時は病院で相談しましょうね。
あごだけでなく、楽器の演奏は楽器を持って同じ姿勢を長く続けますし、普段とは違った姿勢を取るので身体に無理がかからないとは限りません。私は何か身体に違和感を覚えた時はお医者様に早めに行くようにしています。痛いのはできるだけ早く治ったほうが良いですものね!
念のため知り合いのお医者様に伺ってみたところ、歯科でも診てくださるそうですが総合病院の口腔外科に行ってみるのが良いのではとのことでした。あごの痛みは本当に様々な原因があるそうです。総合病院には色々な科があるので、どの原因にも対応してもらえるからだそうです。
どうか一日も早く、ちーやんさんの痛みがよくなって、また楽しく練習できますように。

全員でできる基礎練習は?

先輩が引退してパートリーダーになりました! 責任重大です(^_^;) うちの学校のクラリネットパートは、1年生5人、2年生4人の9名です。全員でできるいい基礎練習があったら教えてください。(きゅーこさん 大阪府 10代女性)

きゅーこさん、こんにちは! 山手寿子です。

秋口からは新たなメンバーでの基礎作り! 私も当時を思い出すと先輩が引退し今までと勝手が違い、色々と苦労した覚えがあります。
個人でもロングトーンやスケール、それに付随するリズムやタンギングなどの練習プログラムはたくさんありますが、皆さんで取り組めることとしては、それら個人練習をしっかりと安定させ、その後さらに発展させ、合奏の最小単位としてパートで「合わせる」という作業がとても大事なこととなってきます。
全員でロングトーンをするにも、まず発音をそろえる。つまり指揮者がいなくても呼吸(アインザッツ)でアンサンブルをしていく。同時にフレーズをまとめていく意識を持つ。そしてお互いをよく聴き合い(寄り合い)、音程の一致と統一性のある音色づくりを目指していく。
音の切り方止め方の統一といったようにロングトーン一つとってもこれだけのことができます。音程は中心となる方だけが始めにチューナーを見てもよいと思いますが、音程が取れたら機械に頼りすぎず、耳と身体で捕らえていきましょう。
そしてそれをパートの皆さんも耳で合わせていく訓練をしていきます。同じ音でのロングトーンだけではなく、和声でも音程を捕らえていく訓練も是非行なってください。これらが捕らえられていくとサウンドがとても良くなると思います。
スケールもまず個人単位の練習がとても大事です。これも色々なパターン(アルペジオや3度、4度の跳躍など、スケール本を参考にしましょう)を毎日の課題としてコツコツ取り組んでいってもらいたいですが、パート練習としてフレーズの取り方(どこを頂点に息の方向性を作るか、フレーズがどこへ向かっていくかなど)、先程と同じ発音と終止、様々なタンギング法では、皆さんの音の形が同じであるかなどを意識して練習をしていくとよいと思います。
1年生と2年生は同じくらいの人数ですから、交互に座り後輩の様子を見てあげるのも良いでしょう。


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