クラリネット記事 vol.51「みんなと同じ音程」「腹式呼吸は……」
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シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.51「みんなと同じ音程」「腹式呼吸は……」

みんなと同じ音程で吹けるように

チューニングでいつも困っています。合奏前やパート練習前にはチューナーを使って合わせていますが、実際に合奏などになると、自分の音が合っていないような気がします。
(実際に合ってないといわれることもよくあります)
合奏でみんなと同じ音程で吹くためのコツを教えてください!
(トトさん・福岡県)

トトさん初めまして! 木内倫子です。

音程ですね。私も、シエナではE♭クラを担当しているのでいつも苦労しています。
チューナーで合わせているのに合わないとのことですが、もちろん、自分が今高いのか低いのかを知るという点ではチューナーは有効です。しかし合奏の中で重要なのはメーターぴったりに吹くことではなく、周りに寄り添うこと、ハーモニーを美しく吹くこと、ですよね。
私が周りと合わせるときに考えることは、よく耳を使って、その人の音を自分が吹いているように寄り添うということです。音程がずれていると、細かい振動のようなものが聞こえますよね。その振動がなくなるように意識します。
そのためには、だいたいの自分の音程の癖を知っておく必要があります。「この音はいつも高めになるから、周りと合わなかったら自分が少し低めに吹いてみよう」というように、自分の癖がわかっていたら、音程がずれたときに素早く反応して修正することができますよね。それを知るためにこそ、チューナーの出番です!
チューナーで自分がぴったり合ったからと言って、合奏の中ではそれが正しい音程とは限らないということです。ハーモニーによって、低めにとらなければ美しい和音にならない音、逆に高めにとらなければならない音もあります。
チューナーに頼らず、自分の耳で音程を合わせられるように頑張ってみてくださいね
(^-^)

腹式呼吸はどうすれば?

こんにちはっ!! いつもこのコーナーで勉強させてもらっています。
腹式呼吸で楽器を吹くと良い、と本に書かれていますが、腹式呼吸がいまいちよくわかりません。
上手くなりたいので、よろしくお願いしますm(_ _)m
(クーさん・埼玉県)

こんにちは。京谷です。

お腹に息を入れてなどとありますが、最初からこの感覚を会得するのは難しいですね。肺は周囲の筋肉、横隔膜などの動きにより空気を取り込みます。この直接意志が伝わらない部分を上手くコントロールする腹式呼吸のコツ、次の手順でやって見てください。

1:リラックスする。特に肩。
2:息を吐き切り、お腹がへこみ、少し前かがみになるのを確認する。
3:腹筋をゆるめる。息が自然に入りはじめることを実感する。
4:そのまま続けて息を吸い、姿勢はだんだん戻る。
5:長く一定のペースで歯の隙間からシーッという音をさせつつ息を吐く(この時腹筋に力が入るのを確認)
6:自然な姿勢の変化を実感する。だんだん2の状態にそして、これを繰り返す。

「ポイント」
・最初はたくさん吸おうとしない。
・鼻で吸ってみると無駄な力が抜けやすい。
・慣れてきたら吸うのに使う時間を変える。4拍で、とか1拍で、など。
・鏡を見るのもよし。楽器のあり、なし両方でやってみる。
・身体に力が入ると筋肉が緊張し、肺の膨張を邪魔してしまいます。リラックスが重要。
・ウエスト部分のベルトをちょっときつくすると腹筋の動きを把握しやすくなります。

「ポイントおまけ」
きちんと腹式呼吸ができた時、腹部が膨らむのは下がった横隔膜に内臓などが押されるためです。
満腹だったり、お腹の調子が悪かったりすると調子良くいきません。また、身体や筋肉に柔軟性がないと入る息の量も少なくなり、肩が上がりやすくなります。練習前に是非ストレッチをしましょう。腹式呼吸が良いのはこのようにしてコントロールされた息を使って楽器を鳴らすと音色や音程が安定し、響きも得られ表現も豊かになるからです。また、長時間の演奏に耐えられるようになります。
管楽器を演奏するにはとても重要な基礎となります。無意識にできるまでを目標に練習してください。


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