vol.53「速いタンギングができるようになりたい」
速いタンギングができるようになりたい
このコーナーを楽しみにしています!
僕の悩みはタンギングです。フルートみたいにダブルタンギングがクラリネットにはないのに、タンギングが速くできません。速くやろうとすると、舌の奥が痛くなります。クラッツの皆さんはどうやって練習しましたか?
(F.Sさん・東京都)
F.Sさん、こんにちは。飯島泉です。
タンギングを速くするのは難しいですね。でも、このタンギングもこう考えてみると良いと思うのです。私たちは、普段の会話の中でもタンギングをしています。例えば「タチツテト」、舌をどこにも触らずに発音するのは不可能ですよね? 「タタタタタ……」より、「タテタテタテ……」や「タトトタトトタトト……」のほうが、より速く言えるのではないかしら? 私は、こうして発音を変えてタンギングをすることが多くあります。発音した時に、自分の舌が口の上顎に触れている場所に、リードがあるはず。つまり、マウスピースをくわえずに、言葉だけで発音する練習をするだけでも、タンギングを速くする練習はできるはずなのです。
F.Sさんのおっしゃる、舌の奥が痛くなるというのは、私には経験がないのでよく解らないのですが、原因としては、力が入ってしまい、喉を塞いでいたりすることが考えられます。普段話すときと同じように舌の動きを使うことがとても大切です。それから、クラリネットでも「ダブルタンギング奏法」はできるのですよ! 「トゥ・ク・トゥ・ク」のように、「トゥ」は舌の先のほうでリードに舌を突き発音。「ク」は舌の奥のほうの発音で、舌をリードに触れずに息を押します。その繰り返しで次第に速度を上げてみてください。その時に気をつけることは、「トゥ」も「ク」も、同じ方向に息を入れ、同じ分量の息を入れていくこと。そうすると、音程や音色が乱れずに美しいダブルタンギングに聞こえるはずです。直接お会いできたら解りやすいのですが、文章での説明は難しいですね。普段話すときのタンギングの舌の動きをイメージして、タンギングの練習をガンバッテください!