中高生のための「クラリネット演奏法」

序文

新シリーズ「中高生のためのクラリネット演奏法」がスタートです。クラリネットを演奏するために必要な基本をしっかり学べます。今まで疑問に思っていたこと、悩んでいたことにクラリネット奏者の野崎剛史さんが解決の糸口を与えてくれるでしょう。

クラリネットを愛好する皆さんこんにちは。新シリーズ「中高生のためのクラリネット演奏法」は、音楽を演奏する上で必要な奏法やテクニック、音楽の基本的な表現法を、クラリネットという楽器を通してみなさんと勉強していこうという企画です。どうぞよろしく!

さて、私たちは、新しい楽譜を前にしたときに、まず音楽のタイトルを見て、テンポ、調性、拍子などを確認します。次に2分音符、4分音符や8分音符あるいは16分音符などの音符が並んでいるのを見ながら、音の高低をテンポとリズムの中で実際に音にしていきます。
この段階ではまだ機械的に楽譜を読んでいるわけですが、同時に、そこに書かれてあるいろいろな記号や文字、図形が目に入るようになってきます。つまり、音の運動(テンポとリズム)、音の高低、音の長短(アーティキュレーション)、音の強弱(ダイナミックス)や曲想、音色など、練習する過程で意識的にクラリネットを吹きながら音楽にしていくのです。そして、これらすべてが実現できたとき初めて音楽の表現が生まれてくることになります。

このシリーズでは、音の高低、音の長短、音の強弱、そしてそれらをうまく吹くためのアンブシュアと呼吸法、フィンガリングなどの基本的なテクニックなど、音楽を演奏する上で大切なことを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。(クラリネット奏者:野崎剛史)

 

各回の内容とリンクは、下記をご参照ください。

第1回 レガートのいろは その1 〜レガートとはなんなのか?〜

第2回 レガートのいろは その2 〜レガートを吹くための身体〜

第3回 レガートのいろは その3 〜実践してみよう!〜

第4回 スタッカートのいろは その1 〜スタッカートは発音から〜

第5回 スタッカートのいろは その2 〜舌の動きについて〜

第6回 スタッカートのいろは その3 〜舌を動かす訓練〜

第7回 スタッカートのいろは その4 〜もう一段上を目指して〜

第8回 アーティキュレーションのいろはその1 〜アーティキュレーションは生きている〜

第9回 アーティキュレーションのいろはその2 〜作曲者の意志を感じよう!〜

第10回 アーティキュレーションのいろはその3 〜『田園』と『トスカ』を例に〜

第11回 アーティキュレーションのいろは その4 〜いろいろなアーティキュレーション〜

第12回 フレージングのために その1 〜“美しいフレーズ”とは〜

第13回 フレージングのために その2 〜良いフレーズは良いリードから〜

第14回 フレージングのために その3 〜一音入魂!!〜

第15回 フレージングのために その4 〜呼吸のいろは〜

第16回 フレージングのために その5 〜息の柱とアンブシュア〜

第17回 フレージングのために その6 〜名曲を吹いてみよう〜

第18回 “ニュアンス”を知る その1 〜ダイナミクスを学ぶ〜

第19回 “ニュアンス”を知る その2 〜いい音を出すための呼吸法〜

第20回 “ニュアンス”を知る その3 〜ソノリテを作るロングトーン〜

第21回 “ニュアンス”を知る その4 〜ディミヌエンドとクレッシェンド〜

第22回 “ニュアンス”を知る その5 〜ブレスとニュアンス〜

第23回 総括 その1 〜クラリネットの音域と“倍音”〜

第24回 総括 その2 〜音域別・いい音を出すために〜

第25回 総括 その3 〜クラリネット吹きの使命〜

第26回 総括 その4 〜指のテクニックの訓練〜

最終回 音楽とは遊び心だ

登場するアーティスト
画像

野崎剛史
Takeshi Nozaki

東京芸術大学卒業後、渡仏。パリ市立音楽院にてクラリネットを学ぶ。フランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者ギイ・ダンガン氏に師事。帰国後、東京佼成ウインドオーケストラで演奏活動を続けた。またジャズサックス奏者の坂田明、クラリネット奏者の鈴木良昭、ピアニストのF.R.パネ、谷川賢作らとジャンルを越えた音楽活動も行なった。


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