クラリネット記事 第20回 “ニュアンス”を知る その3 〜ソノリテを作るロングトーン〜
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中高生のための「クラリネット演奏法」

第20回 “ニュアンス”を知る その3 〜ソノリテを作るロングトーン〜

ロングトーンの練習

それでは実際に譜例を参考にしてソノリテを作るためのロングトーンの練習をしましょう。
まず、横隔膜を使って十分に息を吸い込みます。ズボンのベルトあたりの筋肉が、外の方向にしっかりと密着している感じで横隔膜を支えているのがわかりますか? 息を吸ったら5秒くらい息を止めて、支えられていることを確認しましょう。

最初はFで開放のソ(実音F)の音を、同じ強さで音程が変わらないように、まっすぐな音が出るまで何度も繰り返してください。(譜例)

譜例

このソを出すときに右の親指だけで楽器を支えているのでアンブシュアが不安定になります。そこで、右手の人差し指と中指も押さえて、左手はタルの部分をしっかり握り楽器を安定させます(右図運指)。息を支えるためにお腹の筋肉をゆるめないで、常に一定の息が入るかどうか、注意深く音を聴きながら練習しましょう。

fのあとは pで練習します。fのときよりも息の支えがつらいかもしれませんが、同じ要領で譜例を参考にして、いろいろな高さの音域を何度も繰り返してください。特に高音の pの音は横隔膜の練習には大変有益です。

登場するアーティスト
画像

野崎剛史
Takeshi Nozaki

東京芸術大学卒業後、渡仏。パリ市立音楽院にてクラリネットを学ぶ。フランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者ギイ・ダンガン氏に師事。帰国後、東京佼成ウインドオーケストラで演奏活動を続けた。またジャズサックス奏者の坂田明、クラリネット奏者の鈴木良昭、ピアニストのF.R.パネ、谷川賢作らとジャンルを越えた音楽活動も行なった。


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