クラリネット記事 第2回 ブレスとアンブシュア
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赤坂達三 私の練習法

第2回 ブレスとアンブシュア

ブレス

私の基本練習と教則本について

基本練習として大切なことは2つあります。まず、ブレスをしっかりとること、そしてアンブシュア(アンブシュール)です。ではそれぞれについて、お話していきましょう。

1.ブレス

吹奏楽器は、その呼び名の通りブレスをきちんととらないと、肝心な音がうまく出なくなりますね。ブレスで忘れてならないのは、たくさん吸った息をじゅうぶん楽器に吹き込むことです。それには腹式呼吸が必要ですね。
もちろん腹式呼吸は、お腹をふくらませたりへっこませたりして深く深呼吸する呼吸法です。腹式呼吸がどんな状態なのかわかりやすく実感するには、身体を寝かせてみるか、四つん這いになってみるといいでしょう。
実際にやってみるとすぐにわかりますが、寝た状態で深呼吸をすると、お腹だけで息をしていることがわかります。これが腹式呼吸です。腹式呼吸が苦手な人は、寝た状態の感覚をしっかり覚えるようにしましょう。

それから、例えば演奏の本番前など緊張しているとき、お腹に息が入りにくくなることがあります。それは、緊張のあまり横隔膜があがってしまうために起こるものです。このようなときには、とにかく四つん這いになったり身体を横にして、お腹をふくらませてじゅうぶん息を吸い、30秒くらいかけてゆっくりと息を吐き出していけば、上がっていた横隔膜が下がって、お腹に力が入るようになり、楽に腹式呼吸ができます。
特に長いフレーズを吹くときなどは、思いっきり息をとることが必要です。途中で息が足りなくなってしまわないよう、できる限りたくさんの息をとるようにしましょう。

 

赤坂達三

Tatsuzo Akasaka

国立音楽大学で学んだ後、パリ国立高等音楽院のクラリネット及び室内楽を1位で卒業。パリ・ポールデュカ音楽院、ヴェルサイユ国立音楽院でもそれぞれ1位で卒業。トゥーロン国際音楽コンクール3位、日本木管コンクール第1位、日本クラリネットコンクール1位無し2位、パリ国際コンクール第1位など輝かしい受賞歴を持つ。国際クラリネット協会のパメラ・ウェストン女史から“40年来の偉才”と絶賛され、その最高の技術と深い音楽性は高い評価を得ている。国内外の主要オーケストラとの共演は数えきれない。ソロアルバムを多数リリース。実力とスター性を併せ持つ真のアーティストとしてクラリネット・ソリストの第一人者。2012 〜 2020年までエリザベト音楽大学の教授を務めた。

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