クラリネット記事 縦の線の合わせ方 Part.4「楽譜に忠実に」「予備拍」
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アンサンブルの作り方

縦の線の合わせ方 Part.4「楽譜に忠実に」「予備拍」

黒岩真美が伝授!

各々が正しい奏法で、楽譜に忠実に、役割を理解して演奏すること

こんにちは!! 黒岩真美です♪ヽ(´▽`)/

☆合図の出し方

メロディから始まる曲の場合はメロディを持っている人が合図を出します。伴奏から始まる場合は最初に音を持っている人の中で、演奏する音が一番高い人が合図を出します。
ただそうはいってもいろいろ試してみてやりやすい方法をとるのが一番安全で安心できると思いますよ。
合図の出し方は曲によって様々です。曲によっては気配を消して入ったほうがいい曲もありますし、逆に全員で勢いよくブレスして入るといった曲もあります。

☆ブレスについて

アンサンブルで重要なのが全員で同じテンポ&ビートを感じ、ブレスをしていくことです。同時に入るなら合図を出す人の気配を感じながら、別々で入るなら休符で流れにのって待っていなければいけません。別々に入る時には《何処で、どんなブレス》をするのかが大事です。

☆ブレスの練習方法

メンバー全員でのロングトーン練習の時に《ブレスのスピード》、《アンブシュアの準備》のタイミングを意識して練習しましょう。
それからメトロノームも4分音符=60でのばして練習しているなら、メトロノームを8分音符=120でかけながら練習するとより息の流れを感じられ、フレーズを作っていく練習に繋がりますよ。
ただテンポは様々な速さで練習するのが大事です。なぜなら楽曲によってテンポが違いますからね。ロングトーンって《ブレスのための練習》という意味を多く占めていると私は思っています。なぜなら音のパレットは様々なブレスから作られるからです。

☆スコア

それからスコアを読み、自分以外の動きを知ることが大事です。それが分かれば先を想像しながら演奏することができますし、余裕が生まれます。余裕がある状態で演奏すると周りを聴きながら、縦ラインを合わせる意識も出てきます。アンサンブルに限らずスコアを読むのはとても大事なことです。

☆まとめ

アンサンブルは誰かに頼って合わせていくというよりは、メンバー全員が曲を知り、共通のテンポ&ビート感を持ちながら、正しい奏法(特にタンギング)で、タイミングを点で狙って演奏できるようになると楽しくなると思います♪
アンサンブルに限らず演奏するにあたり、各々が正しい奏法で、楽譜に忠実に、役割を理解して演奏することが重要です。それをいつも心がけていれば素敵な音楽ができると思いますよ。

原山佐保子が伝授!

予備拍をしっかり感じて

「アインザッツ」はドイツ語で「仕事を始める」と言った意味があるそうです。指揮がないときはもちろん、曲中でも同じ動きをする人同士でアインザッツを入れることがあります。そうして縦の音が合うように行動で示しあって、音を合わせていくんですね。
アインザッツは皆の見えやすい所の人、1stやE♭クラなどの端に位置する人が出すのが良いでしょう。アインザッツを出す時は、まず予備拍をしっかり取ります。3拍子なら3拍目、4拍子なら4拍目ではっきりと息を吸いましょう。1拍の時間全部を使って吸うのではなく、拍の頭をはっきり出すように短く吸うと、わかりやすいと思います。短く出しにくい時は、あらかじめ息をしっかり吸っておいて、合図の息だけ短く吸うのもいいと思います。
アインザッツは私たちが小さい頃からよくしている動き、ジャンケンを想像してみるとどう動いたらよいかわかりやすいと思います。ジャンケンのタイミングは、先出しでもなく、後出しでもなく、皆があわせやすいように動きますね。ただ、楽器を大きく縦に振って合図を出すのは、あまりよくありません。あくまでも曲想に合った息遣いでセンスよく合図を出せると良いですね。また、楽器で拍を取りながら演奏するのも、あまり見た目もよくありませんし、アンブシュアや曲想にも沿いにくいですのでおすすめできません。
アンサンブルをするとき、アインザッツを出さない人も出す人のタイミングを上手くつかんで入れると良いですね。息を同じタイミングで吸ってみましょう。全員が同じテンポとタイミングをつかめると、スムーズに曲に入っていけると思います。


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