音程の合わせ方 Part.1 音程合わせの初歩の初歩
秋は定期演奏会や文化祭など吹奏楽部が活躍することの多い季節。でもそろそろ冬の“アンコン”に向けて曲選びや練習が始めている人も多いでしょう。そこで今回はアンサンブルをするために必須の「音程」について伝授してもらいましょう。
山手寿子より伝授!
どうやったら音程が合うの?
何と言ってもまず耳の訓練。そのもののピッチをイメージすることが大切です。基本の音を出してもらい、それを声を出して捉える。次にその響きをイメージして楽器で発音。徐々に声を出さずとも頭に響かせ発音できるとよいでしょう。チューニングをしただけですべてが合うわけではありません。自分の楽器の各音の高低傾向を知り、演奏中は毎回抜け閉めできないので、高くしたい時は頭の先から出す、眉毛が上がるような、下げたい時は深く掘り下げるような息の出し方をイメージするなどして合わせていきます。演奏中、音によっては基本の指の他にキィやトーンホールを少しふさぐことでピッチを探すこともあります。
ですがやはりイメージし音を当ててやることが大切です。初歩としては
真ん中のド→開放指のソ(下へ4度)
ソ→レ(上へ5度)
レ→シ(下へ3度)
シ→ド(導音から主音)
ド→ファ(上へ4度)
ファ→ソ(2度上)
ソ→ド(属音から主音)
これを連続してキーボードなどを追って音を捉えられるようになると良いでしょう。そしてこれらをさらに和声として捉え、その響きを感じ取り楽しむようになれるとよいですね。
人間の耳は上から下より下からねらって合わせていくほうが誤差が少なくいいところに収まります。管を抜いた状態から詰めていく。一箇所だけ抜くとバランスが崩れますのでバレル、上下管ジョイント、ベルをなるべく均等にそれから微調整してみてください。
近藤薫より伝授!
どうやったら音程の高低を聞き分けられる?
こんにちは、近藤薫です。
アンサンブルや合奏をするにあたり、正しい音程へのこだわりは大切ですね。ハーモニーが澄んでいると、音楽の景色がスッキリクッキリし、濁っていると、せっかく素敵な演奏をしていても、演奏者もお客様も音程が気になり楽しめなくなってしまいます。
さて、音程の高低を聞き分けるためには……。音程は、高いか低いかですから、自分の音程を上げて合うなら低かったのだし、下げて合うなら高かったということになります。
これまでの経験をもとに自分の音程のクセを把握しておくと対応しやすいのではないでしょうか。
私たちプロの奏者同士では、著しく音程が合わないということは少なく、微調整レベルです。もし、ジョイントを抜いたり入れたり、指使いを替えたりしても合わないというのであれば、楽器の調整がうまくいっていないか、奏法がおかしいということになります。
音程は自分で作るものです。まずは、一人ひとりが正しい奏法で正しい音程の音、すなわち良い音を出せるようになりたいですね。