クラリネット記事 ダイナミクスのメリハリ Part.1 奏法の改善
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アンサンブルの作り方

ダイナミクスのメリハリ Part.1 奏法の改善

悩める高校生からの質問を、シエナ・クラッツの皆様に答えてもらいました。今回から4回にわたって、回答を公開いたします!
さあ、それでは張り切ってお勉強しましょう!

質問シエナ・クラッツのみなさん、こんにちは! このコーナーは勉強になります。
今回、みなさんにどうしても教えてほしいことがあります。
私は今高校2年生で吹奏楽部に入っていて、アンサンブルにチャレンジしています。
先日、部内発表会で初めて七重奏(1年生と2年生混合チーム)を演奏しました。
が……演奏は散々でした。緊張のせいもあったと思いますが、特に先輩や先生に指摘されたのが、
「ダイナミクスの変化がない!」
ということでした。

pfなど、つけているつもりでしたが、聴いている人には伝わらなかったそうです。
シエナ・クラッツの皆さんは、どんな個人練習をしていて、
アンサンブルではダイナミクスに変化をつけるためにどんな練習をしているのでしょうか?
注意点、アドバイスなど何でもかまいません!
E♭クラ、バスクラなど特殊管の注意もお願いします!
どうぞよろしくお願いします。
(埼玉県 県立高校2年生女子)

中村めぐみより伝授!

こんにちは。中村めぐみです。
演奏を聴かせていただいていないので、本当に推測ですが、思いつくままに書いてしまいます。

ダイナミクスの差を、つけているつもりなのに現れない、原因はいくつか思い当たりますが、つまり
がワイドに響かず、pが音量は落ちているがやかましい
ということが推測されます。

ダイナミクスのメリハリをつけるため、だけではなく、すべての表現を自由にするために、私は常に奏法の改善を意識しています。

でアンブシュアが力んで響きがつぶれる、pの時にたとえばアンブシュアや、口の中の広さなどを変化させてしまい、響きよりもノイズの多い音を出している、または、発音のノイズが多く、pに感じられない、などは思い当たらないでしょうか。

音を出す前に、同じ身体の形(アンブシュアや、舌の位置、顎のセットなど)で、常にリードの振動のレスポンスが良い準備をした上で、息圧のコントロールで変化をつける。声と同じです。吹きにくい状態で、または発音のときにアンブシュアが動く状態で、常に速すぎる息でfpも吹いていて、しかも吹きにくい状態なので発音がいつも同じ色だったりすると、同じことを繰り返しているようにしか聞こえないかもしれません。

もう一つはスコアを頭の中で描けていないことも推測されます。
これは、ダイナミクスのメリハリ、そして調性の変化も表せなくなる原因になります。音は間違っていなくても、和音のどこに位置するか、寄せるべき声部はどこか、ということを解らず吹くと、音が組み立てられません。それを探す耳を使って寄せていると、みなさんの音が一つの楽器の音になっていくはずですが、その予測がないと、音は合っていても、つぶれます。

さらに、息のスピードが一定すぎて、いわゆる棒吹きになってしまっていることも実はメリハリを消してしまうことにつながると思います。

そして、最後に、変化をつけるべき瞬間の直前にその雰囲気を作れていないのではないかということ。
息の吸い方も、体の作り方も影響すると思います。決意をもってブレスして、また、pの直前には、静かにして! と気配をまとめるなどの、休符の共感が全員の意識にあるかどうか。その際、アンブシュアなどの状態が安定していることが大前提です。

少しでも思い当たることがあるなら幸いです。

個人練習で、アンブシュアを安定させ、ppからcresc.してff、そしてdim.してppのロングトーンをして、息圧のコントロールを観察し、曲中に取り入れる練習など効果があるのではと思います。

試してみてくださいね。

 


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