ダイナミクスのメリハリ Part.4 個人練ですべきこと
今回、みなさんにどうしても教えてほしいことがあります。
私は今高校2年生で吹奏楽部に入っていて、アンサンブルにチャレンジしています。
先日、部内発表会で初めて七重奏(1年生と2年生混合チーム)を演奏しました。
が……演奏は散々でした。緊張のせいもあったと思いますが、特に先輩や先生に指摘されたのが、
「ダイナミクスの変化がない!」
ということでした。
pやfなど、つけているつもりでしたが、聴いている人には伝わらなかったそうです。
シエナ・クラッツの皆さんは、どんな個人練習をしていて、
アンサンブルではダイナミクスに変化をつけるためにどんな練習をしているのでしょうか?
注意点、アドバイスなど何でもかまいません!
E♭クラ、バスクラなど特殊管の注意もお願いします!
どうぞよろしくお願いします。
(埼玉県 県立高校2年生女子)
黒岩麻美より伝授!
こんにちはっ(^o^ゞ黒岩真美です。
個人練習の内容はどういう物でもいいと思うのですが、私はスケールやエチュード、演奏会を控えている曲の数々を練習する時に常に伝わる表現(歌い方、強弱や音色等々)をするための息、すべての音符を吹けるようにするための息など、必要に応じた「息の使い方」を意識しながらさらっています。
もしかするといつも息を変化させず練習しているためリードの反応が鈍いものを使っている可能性もあります。
まずはしっかり楽器を鳴らせるだけの息を使いリードを振動させ、リードを育て、自分の思い描いている演奏ができるように頑張ってください!!
後は、表現したい音楽のイメージを明確に持って練習できているか。自分の譜面を楽器ではなく声に出して歌って練習してみるのもいいと思いますよ。そうすると息の変化が分かりやすいと思います。それに声に出して歌えないと楽器で表現はできません。
そして色々な演奏会を聴きに行きプロの奏者の方の息遣いや表現を生で聴いて感じてみてください。
それが一番刺激を受けるでしょうし、表現するということのイメージがわくと思います。
では皆さんでいい音楽を奏でられるように頑張ってくださいね♪
木内倫子より伝授!
こんにちは!木内倫子です。
ダイナミクスの差をつけるには、ということですが、確かにアンサンブルコンテストなどの審査をしていると、音量のメリハリがなくてもったいないなぁと感じる演奏が多いように思います。
私はE♭クラを担当することが多いですが、E♭クラだからといって特別に言えることはありません。クラリネットは小さい音は得意分野ですが、難しいのは音色をそこなわずに大きな音を出すということですよね。
ひとつオススメの練習は、ロングトーンのときに強弱をつけてやるということです。
初めは聞こえないくらいのppからだんだんクレッシェンド→できるだけ大きなff→デクレッシェンドで消えていくという練習です。このとき、チューナーを使ってもいいのでなるべく音程が動かないようにします。とくにクレッシェンドをするときに、口の中を大きく広げていくことで音量を上げようとすると、必ず音程が下がり、音色もビャーっとなってしまいます。
ダイナミクスの差をつけるというのは、プロでも難しいことですが、一人ひとりの丁寧な練習が一番の近道だと思います。
頑張ってください!
京谷麻里子より伝授!
こんにちは。バスクラリネット奏者の京谷です。表現がなかなか伝わらない、という相談でしたね。
私も過去に同じことを言われ、悩んだことがあります。「やっているつもり」が伝わらない。指摘されてもなかなか理解に苦しみましたが、要は吹きながら聴く立場の耳を持つということだと思います。
簡単な方法があります。録音をして聴いてみたことはありますか? 演奏しながらだと気づかないいろんなコトが実感できるはずです。きっと強弱の幅もせまかったり、アクセントに聞こえなかったり、歌っているつもりが棒吹きになっていたり。人間、他人に指摘されるより、自分で確かめたことのほうがすんなり受け止められるものです。もちろん録音は一度きりでなく、何度もして、その都度吹き方を変えてどのくらいの加減が最適かをつかみましょう。
次に表現力を付ける練習ですが、私はまずはロングトーンでクレッシェンドとディミヌエンドの練習、後はレガートをかける練習、これはスケールや、3度進行、アルペジオなどを使います。表現をするにあたって、クラリネットで特に気をつけてほしいのはアンブシュアを安定させて、音程や音色が犠牲にならない様にすることです。息をたくさん送り込もうとすると、口はゆるんでしまいがちです。耳やチューナーでチェックをしてください。最後に楽器を吹かずに楽譜を歌ってみることも大事です。どういうふうに音楽をつくりたいのか、脳内で計画を練ってください。
私はこのイメトレの時間、結構長いですよ。