アンサンブルの秘訣 Part.3
・アンサンブルを作るときの秘訣を教えてください!
中村めぐみより伝授!
こんにちは! 中村めぐみです。
アンサンブルをするとき、一番注意をしていること……自分の持つ音も含め常に客観的に役割を判断しながら吹く、つまり耳と脳を使うことです。
充分に準備をしていれば(さらう、スコアを読む)判断も速く、スムーズです。吹きながら、アンテナをのばしながら、頭の中でスコアを書きながら吹きます。どんな様式なのか、どんな色彩なのか、どんな感情なのか、その伝えるべきことが不明瞭だと感じたら、修正するべきことがあるということですよね。ハーモニー、リズムの喋り方、テンポの生み出し方など、みんなで工夫していきます。
アンサンブルって、全員で一つの絵、建物、風景、ストーリーを組み立て完成させていくものですよね。そのために一人ひとりが自分の持つモチーフに意味を持たせるべきだと思うので、上の作業が必要だと考えます。
アンサンブルをするときの秘訣は、このある程度共通している完成理想像を全員が感じていることではないでしょうか。そのソルフェージュ(想像すること、予測すること)がなく、ただ音を出してしまっているとしたら、それは音楽として生かしているモチーフにならない可能性があると思います。
もちろん最初は把握しきれないこともたくさんあります。
そして常に、さらに生き生きとした音楽にするために、練るべきことがなくなることはなく、これで完成!ということもないかもしれません。時間をかけていくと、いろんな変化が起こることもあります。理想像が成長していくためにみんなでアイデアを出し合います。
本番までの限られた時間の中で、練り続けて、お客様に披露したとき、そのメンバーにしかできない唯一無二の音楽になっていれば、大成功だと思います。
そして、指揮者がいたとしても、この作業は同じだと思っています。
解釈が違うこともあると思いますが、それが混ざったとき新しいものができ上がる、それもまた、本当に楽しく、やりがいを感じます。
録音する、人に聴いてもらう、分解して合わせるなど方法はいろいろあると思います。
いいアンサンブルのために、お互い頑張りましょうね。
佐々木理絵より伝授!
こんにちは。佐々木理恵です。
アンサンブルに限らず何を演奏していても一番大切なのは音楽的であること。表現豊かな演奏です。
アンサンブルは当然ながら指揮者がいないのでテンポをキープしようとか、ずれないようにしなければいけない、などが気になると思います。
確かに表面上わかりやすいですしコンクールなどにおいては減点されるかもしれない部分ですよね。
細かい音符まで寸分狂わずぴったり合った演奏に時には圧倒されることもありますが、それだけでは人間味がないというか……。
しかし自由に音楽を表現するには技術も必要です。
個人練習をする時にメトロノームを使って細かいパッセージなどを正確に演奏できるようにすることも大切ですし、アンサンブルの練習をする時にテンポがなかなか安定しなかったりずれてしまう場合はメトロノームを使うのも良いでしょう。
アンサンブルでメトロノームを使うと合うけれど、メトロノームなしでやってみるとずれてしまう、というときは各自がメトロノームに合わせるという作業のみになってしまっています。
チューナーも同じことが言えます。
メトロノームやチューナーはあくまで基準でベースを作るものです。
音程やテンポ感などを各自がしっかりと持ちどんな音楽を作っていくか、ということを意識して取り組むと合ってきますよ。
メンバー一人ひとりがこんな演奏がしたい! というものを持ち寄り、合わせてみてこんな音楽がいいかな、いやこういう表現も良いんじゃないかな、など音楽的な部分で対話ができるとアンサンブルをすること、クラリネットを演奏することがもっと楽しくなるのではないかと思います。