クラリネット往古来今 83sによる座談会 ─前編─
本誌でもおなじみのソリスト赤坂達三さんをナビゲーターに迎え、国立音楽大学時代の同級生による座談会を行ないました。紅一点の京谷麻里子さんはシエナ・ウインド・オーケストラのバスクラリネット奏者、そして東京吹奏楽団の日向秀司さん、NHK交響楽団(インスペクター)の山根孝司さんという、錚々たる顔ぶれ。第一線で活躍しているこの4人は83sというユニットを組み演奏活動も展開中。気心の知れた仲間同士だからこそ話せるクラリネットの現在、過去、未来とは……。
取材協力:MARK Ⅵ Mejiro
テーマ1 国立音楽大学・留学時代
新幹線の中でさらう
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テーマ1 国立音楽大学・留学時代(続き)
テーマ2 演奏について
テーマ3 クラリネット界について
赤坂達三 Tatsuzo Akasaka
国立音楽大学で学んだ後、パリ国立高等音楽院のクラリネット及び室内楽を1位で卒業。パリ・ポールデュカ音楽院、ヴェルサイユ国立音楽院でもそれぞれ1位で卒業。トゥーロン国際音楽コンクール3位、日本木管コンクール第1位。日本クラリネットコンクール1位無し2位、パリ国際コンクール第1位など輝かしい受賞歴を持つ。国際クラリネット協会のパメラ・ウェストン女史から“40年来の偉才”と絶讃され、その最高の技術と深い音楽性は高い評価を得ている。国内外の主要オーケストラとの共演は数え切れない。ソロアルバムを多数リリース。実力とスター性を併せ持つ真のアーティストとしてクラリネット・ソリストの第一人者。2012~2020年までエリザベト音楽大学の教授を務めた。
京谷麻里子 Mariko Kyotani
中学よりクラリネットを始める。国立音楽大学卒業。その後青年海外協力隊に参加、3年間中米ホンデュラスにて吹奏楽、クラリネットを指導。日本からの楽器無償援助がありオーケストラのない同国にオーケストラを結成するという事業をサポート。帰国後、シエナ・ウインド・オーケストラに入団。現在吹奏楽の指導、コンクールの審査など全国で活動している。埼玉県草加市出身、横浜市在住。
日向秀司 Shuji Hyuga
国立音楽大学付属音楽高等学校を経て国立音楽大学卒業。その後渡仏し、フランス国立ランシー音楽院、パリ市音楽院を満場一致の一等及び審査員特別賞を得て終了。帰国後はソロ、オーケストラ、ミュージカル等およそクラリネットが必要なあらゆるシーンで活動、現在に至る。第2回日本クラリネットコンクール第3位入賞、第6回日本管打楽器コンクール入選。大橋幸夫、浜中浩一、フィリップ・キュペール、ギィ・ドゥプリュの各氏に師事。神奈川県立弥栄高等学校非常勤講師。
山根孝司 Takashi Yamane
国立音楽大学、ベルギー王立フランダース音楽院、リエージュ音楽院でクラリネット、室内楽を学ぶ。ベルギーやフランスの現代音楽アンサンブルで活動した後に帰国。現在はNHK交響楽団楽員、昭和音楽大学非常勤講師。また、オーケストラ・リベラ・クラシカなどのオーケストラでピリオド楽器の演奏にも携わる。