クラリネット記事 第2回「短時間での音出し」「主たる基礎練習」
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加藤明久のクラリネット何でもQ&A

第2回「短時間での音出し」「主たる基礎練習」

音出しの時間が短いとき、どんな音出しが効果的ですか?

音出しって何の音出し? 本番の前か合奏なのか。単なる個人練習、それとも朝練のこと? もっと詳しく書いてくれないと答えらんないよな。

本番ならば、とにもかくにもリードの調整。しっかりとリードをナメてからロングトーンなりスタッカート系を吹くなりして本日のアンブシュアを確かめる。あとは指ならし。冬場なら、まず楽器を温めることから始める。
ひょっとして音出し、っていうのが日々の練習っていう意味合いだと、これまたやっかいな質問だよね。要するに、少ない練習時間で効果的な方法はないか?っていうムシのいい話でしょ?
そんなもん、あるわけないでしょ。
あったらこっちが聞きたいよ。ただし、音出しの正しい目的、というものは確かに存在する。それはずばり、アンブシュアの強化。維持、確認という言葉に置き換えてもよい。スポーツマンがダンベルや鉄アレイなんかで筋肉を鍛えるように、我々クラリネット奏者も口の周りの筋肉や舌の動きを毎日鍛えないといけない、ってわけ。

その詳しい練習法こそが、次の質問の回答になるわけだな。

 

基礎練習は主にどんなことをすればいいですか?

まずは正しいアンブシュアをつくる。それができるまでは先へ進まないし、進めないのだ。そしてロングトーン(譜例①)。これで高音域が正しいピッチで美しく響けば、よいアンブシュアができたことになる。

譜例①
レジスターキィをおさえる
 

そして今後は、正しい筋肉をつけるためのロングトーン(譜例②)。音量によって対応できるようなアンブシュアがあれば、こわいものは何もない。

譜例②
正しい筋肉をつけるためのロングトーン
 

で、あとはスタッカート。スペースがないのでここでは紹介しないけど、メトロノームを使ってひたすら音を切る。このとき、舌の動きにあごが連動しないこと。
指? テクニックの練習はどうするのって? そんなもんはそのへんにあるエチュードでもさらって吹いていれば、自然に身につくってば。
そうそう、大事なことを忘れていた。以上の練習を誰もいない場所、もしくはちゃんと自分の音が確認できる場所で吹いてくださいな。あなたたちの一番いい先生は、プリンツでもアリニョンでもなく、自分の耳なんだから、ね。

はい、今回はこれまで。宿題はなし。各自復習をしっかり自宅で行なうように。

 
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