クラリネット記事 第11回「つまり大事なのはよりよいアンブシュア」
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加藤明久のクラリネット何でもQ&A

第11回「つまり大事なのはよりよいアンブシュア」

ハンチングにニッカボッカーという英国伝統のスタイルがしてみたい、という憧れだけで始めたゴルフも、想像以上に奥が深くハマりまくっている。日ごろの地道な修練が大事なこと。仕事をするのは自分ではなく道具のほうで、それを上手に操ること。客観的に自分を分析すること。やり直しができないこと。自分との闘い、そしてプレッシャーに打ち勝つ精神力。弾道をしっかりイメージする想像力……と、あまりにも音楽との共通点が多く、ゴルフから楽器のヒントを得ることも多い。身分不相応なことを望むと必ずしっぺ返しが来るし、失敗したときは必ずリズムが乱れているのもおもしろい。一度でいいからタイガー・ウッズの体に入り込んで、見えなくなるくらい球を飛ばしてみたいとも思うが、これを決めれば何千万……なんてパットは絶対にしたくないとも思う。外したら、もう二度とゴルフができなくなりそうだから。楽器もゴルフも上達への鍵は、その人の「人間力」という他にない。

加藤明久

Akihisa Kato

クラリネットを大橋幸夫、浜中浩一の両氏に師事。 1983年、国立音楽大学卒業。その年より制定された矢田部賞を受賞。 第53回読売新人演奏会などの新人演奏会に出演。 第16回民音室内楽コンクール第1位入賞。 1984年、第1回日本クラリネット・コンクール入賞。 1985年、第35回ミュンヘン国際コンクール木管五重奏部門でファイナリスト。 1988年、欧日音楽講座にて初のビュッフェ・クランポン賞を与えられる。第2回日本クラリネット・コンクール入賞。 1990年、NHK交響楽団に入団。 2019年、NHK交響楽団を退団。 2019年より昭和音楽大学教授、武蔵野音楽大学非常勤講師。

ビュッフェ・クランポンRCを使用しています。クラリネットの寿命はだいたいどのくらいでしょうか? 気候や、特殊管に比べて使用する時間が長く、持ち運びが多いことも関係してくると思いますが……。ちなみに加藤先生が主に使用されている楽器の使用年数は?(小学校音楽非常勤講師・沖縄)

丸山茂樹は2週間に1本のペースで、サンド・ウェッジ(バンカーやアプローチで使うアイアン)を新調するという。彼らのスピードやパワー、そしてハードな練習量は、我々アマチュアの想像するレベルをはるかに越えているに違いない。長い歳月をかけて豊かな響きを増してゆく弦楽器と違い、クラリネットはゴルフギアと同様、消耗品と考えなくてはならない。……[続きはこちらから!!]

30分も吹かないうちに口が疲れてきます。この場合、小休憩をとり再開すべきですか、それとも続けるべきでしょうか。すぐに疲れてしまうのは、慣れていないせいでしょうか。それとも、口の周りに力が入りすぎているせいでしょうか。(会社員・富山)

30分が合奏なのか、個人練習なのか。30分間ずっとロングトーンならスゴい体力と精神力なのだが。金管楽器と同じように、唇の周りの筋肉を横や下に引っ張ることで良いアンブシュアを形成しているので、その筋肉を日々鍛えることがクラリネットを吹くための基礎体力作りということになる。毎日欠かさず吹くことでしか、問題解決の道はない。……[続きはこちらから!!]

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