第20回「道具を大切にしましょう」
私は市民吹奏楽団でクラリネットを吹いています。よくプロの方が吹かれるような太い音を出したいのですが、どのような練習をすればシンのある太い音が出せるのでしょうか。(会社員・千葉)
プロ野球選手の投げるボールやプロゴルファーの放つ球は、我々アマチュアとは比べ物にならない威力や迫力を感じるが、クラリネットの音色に関しては、スポーツの世界ほどプロとアマの違いを私は感じない。プロ仕様のマウスピースやリードがあるわけじゃないし、楽器も市販のもの。体力も大差ない。実際、中学生でも市民バンドでも、驚くほどいい音色を持っているクラリネット吹きにめぐり会うことがある。楽器を借りてみると、古いマウスピースに三文リードがついていたりして、よくこんな仕掛けであんな音が出るもんだ、と感心してしまうことが稀にある。口内の広さ、歯形、気柱(息圧)、唇の厚さなどが奇跡的にクラリネットに適しているのだろう。……[続きはこちらから!!]
リードにすぐマウスピースのウィンドウの跡がついてしまいます。息の入れ方がまずいのでしょうか。もちろん、新品のリードではなく、1〜2ヶ月なじませたリードです。(46歳会社員・新潟県)
リガチャーを強く締めすぎの感はあるかもしれないが、息とはまるで無関係。リードを使い込んでいけば、マウスピースに接している下半分は硬くなり、接していない上部はフヤケてくる。これ当たり前。しかしこれがよくない。反応が鈍くなる主要因と考える。じゃあどうするか?……[続きはこちらから!!]
加藤明久
Akihisa Kato
クラリネットを大橋幸夫、浜中浩一の両氏に師事。 1983年、国立音楽大学卒業。その年より制定された矢田部賞を受賞。 第53回読売新人演奏会などの新人演奏会に出演。 第16回民音室内楽コンクール第1位入賞。 1984年、第1回日本クラリネット・コンクール入賞。 1985年、第35回ミュンヘン国際コンクール木管五重奏部門でファイナリスト。 1988年、欧日音楽講座にて初のビュッフェ・クランポン賞を与えられる。第2回日本クラリネット・コンクール入賞。 1990年、NHK交響楽団に入団。 2019年、NHK交響楽団を退団。 2019年より昭和音楽大学教授、武蔵野音楽大学非常勤講師。