加藤明久のクラリネット何でもQ&A

第28回「持ち替えAB♭C」

私は今、B♭クラとバスクラを吹いていますが、バスクラを吹いた後にB♭クラを吹くととても違和感があり、困っています。どうしたらいいのでしょうか。(14歳中学生・茨城県)

私も中学時代、B♭クラとバスクラを兼任させられた経験があるだけに、気持ちはよくわかる。あなたがバスクラを愛し、バスクラに専念したいというなら話は別だが、もしB♭クラの上達を望むなら、基礎練習はB♭クラで行なうべき。クラリネット奏者たるものB♭クラこそが王道であり、すべての基本はB♭クラにある……ということは以前も熱く語ったはず。……[続きはこちらから!!]

オーケストラで、in Cの曲を演奏するとき、どんな理由で、B♭管かA管のどちらかを選ばれるのですか? また、C管で演奏される方もいるのでしょうか。(43歳音楽講師・広島県)

大抵はB♭管で2度上げて演奏するのが普通であるが、ブラームスの第4交響曲・第3楽章 in Cの場合は他の楽章がすべてA管だからA管で、とか、B♭管で#2つよりA管♭3つの方が簡単……などという『モルダウ』のような場合もある。すべては慣例というか、先人の教えである。N響所有のこれらの楽譜には、大先輩のイニシャルが記された手書きによる移調楽譜が挟まっている。紙は変色し、解読不能になりつつあるが、貴重な資料として大切に保存しなくては、と思っている。

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加藤明久

Akihisa Kato

クラリネットを大橋幸夫、浜中浩一の両氏に師事。 1983年、国立音楽大学卒業。その年より制定された矢田部賞を受賞。 第53回読売新人演奏会などの新人演奏会に出演。 第16回民音室内楽コンクール第1位入賞。 1984年、第1回日本クラリネット・コンクール入賞。 1985年、第35回ミュンヘン国際コンクール木管五重奏部門でファイナリスト。 1988年、欧日音楽講座にて初のビュッフェ・クランポン賞を与えられる。第2回日本クラリネット・コンクール入賞。 1990年、NHK交響楽団に入団。 2019年、NHK交響楽団を退団。 2019年より昭和音楽大学教授、武蔵野音楽大学非常勤講師。

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