加藤明久のクラリネット何でもQ&A

第29回「サックス軍団には負けへんで!!」

景山民夫、伊丹十三、そしてナンシー関……。辛口で、人生を斜に構えたスタンスをとりながらも、滲み出る温かさと洒落の効いたエッセイを記してきた人々、加藤が読み始める本の著者が次々とこの世を去っていく。こうなると次に来るのは田中康夫か井沢元彦か茂木大輔か。御三方とも少々肥満気味なだけに、気掛かりではある。

僕は今、コンクールまで臨時でアルト・サックスを吹いています(コンクールが終わったらCLに戻ります)。サックスを部活で吹いて、家でクラを吹くと、とてもいい感じなんです。サックスを吹き始める前は、クラがいきづまっていたのですが、だんだん変われそうな気がしてきました。いったいどうしてなんでしょう?
(東京都・高校生)

アンブシュアが固く、音色の貧しかった生徒にサックスを学ばせることで素質を見事に開花させ、コンクールに入賞させてしまった恩師・大橋幸夫の見事な荒療治は、以前紹介したばかり。分かりやすく解説したはずなのだが、ひょっとしてすれ違ってしまったのだろうか。しかしながら、この質問者も同じ状況に置かれた今、確実に何かをつかみかけている。……[続きはこちらから!!]

サックスに負けないくらいのソロをクラリネットで吹くには、どんな点に気をつけたらよいですか?
(愛知県・高校生)

 いい質問だ。
アンサンブルを度外視したビブラートを駆使し、疲れを知らない子どものような音量で吹き続け、どのパートよりもテンポを先取りして速く吹こうとする軍団と闘うには、清く透き通った音色で、上品な節回しを心がけることが大切。敵のほうが新しい楽器なので、……[続きはこちらから!!]


加藤明久

Akihisa Kato

クラリネットを大橋幸夫、浜中浩一の両氏に師事。 1983年、国立音楽大学卒業。その年より制定された矢田部賞を受賞。 第53回読売新人演奏会などの新人演奏会に出演。 第16回民音室内楽コンクール第1位入賞。 1984年、第1回日本クラリネット・コンクール入賞。 1985年、第35回ミュンヘン国際コンクール木管五重奏部門でファイナリスト。 1988年、欧日音楽講座にて初のビュッフェ・クランポン賞を与えられる。第2回日本クラリネット・コンクール入賞。 1990年、NHK交響楽団に入団。 2019年、NHK交響楽団を退団。 2019年より昭和音楽大学教授、武蔵野音楽大学非常勤講師。

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