エマニュエル・ヌヴー Emmanuel Neveu
東京交響楽団の首席クラリネット奏者を務めるフランス出身のクラリネット奏者、エマニュエル・ヌヴー氏のインタビューが実現。長く日本に住むからこそわかるフランスとの文化の違い、そして同じくクラリネット奏者であり、パートナーでもある郡尚恵さんと二人三脚で歩む日本でのクラリネットライフを大いに語ってもらった。
ここではインタビューの一部を公開します。インタビュー全文はThe Clarinet 62号に掲載しています。
写真:橋本タカキ 取材協力:東京交響楽団、株式会社ビュッフェ・クランポン・ジャパン
クラリネットで繋がった日本との縁
─私生活では(前回ご登場いただいた時から)何か変化がありましたか?
ヌヴー:子どもが生まれたことは非常に大きい出来事でしたね。普通のコンサートはまだ聴けないので、毎年行なっている東京交響楽団の「0歳からのコンサート」やロビーコンサートなどに積極的に連れて行っています。
郡:そうすると「パパー!」とか言って!(笑) 子どもを連れて楽屋やバックステージに遊びに行ったりすると、団員のみなさんが楽器を演奏してくれたりするのとても嬉しいですね。
ヌヴー:家ではリトミックも激しくやってます。ストラヴィンスキーの「春の祭典」をかけて曲に合わせて踊ったり飛び跳ねたり(笑)。
郡:子どもは音楽のジャンルの垣根がないんですね。スポンジの様になんでも吸収している感じです。現代曲でも難しい曲だと思わないからすんなりと入るみたいですね。
エマニュエル・ヌヴー Emmanuel Neveu
フランス、ルーアン市生まれ。10歳よりクラリネットを始める。パリ国立高等音楽院、フランス国立ルーアン音楽院、リュエイユ・マルメゾン音楽院卒業。2000年日本クラリネットコンクール第1位などの受賞歴がある。
2002年より、東京交響楽団首席クラリネット奏者。2011年、名曲シリーズにてウェーバ作曲クラリネット協奏曲第1番、2014年オペラシティーシリーズにて藤倉大作曲「Mina」、2015年モーツァルトマチネシリーズにてモーツァルト作曲クラリネット協奏曲を東京交響楽団と共演。国立音楽大学、洗足学園音楽大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。ビュッフェ・グループ・ジャパン専属講師。クラリネット四重奏団「22」メンバー。
クラリネットをM・エルマカスター、P・ルビドワ、A・ダミアン、F・エオー、M・アリニョンの各氏に師事。バスクラリネットをJ・N・クロック氏に師事。室内楽をM・ブルグに師事。
郡尚恵 HisaeKori
北星学園女子高等学校音楽科、国立音楽大学、桐朋学園大学研究科を経て、渡仏。パリ・エコール・ノルマル音楽院、フランス国立リュエイユ・マルメゾン音楽院を卒業。1994年、日本演奏家連盟主催、新人演奏会に出演。1998年、第15回、日本管打楽器コンクールクラリネット部門第二位。1999年、第10回、日本木管コンクールクラリネット部門入選。1998~2000年、パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)のオーディションに合格し、アカデミー生として参加。2005年、東京文化会館にて、2006年、札幌コンサートホールにて「クラリネット・デュオ・リサイタル」を行ない、好評を博す。ビュッフェ・グループ・ジャパン専属講師。クラリネット四重奏団「22」メンバー。指導力にも定評があり、全国各地で講習会を行なっている。