ウクライナ出身の九州交響楽団首席奏者
The Clarinet vol.51のCover Storyに登場いただいたのは、音楽性とテクニックを兼ね備えたクラリネット奏者であるウクライナ出身のタラス・デムチシン氏。本誌初登場にして表紙も飾っている。
デムチシン氏はウクライナの音楽大学に進んだのちドイツに留学。そのドイツの大学に在籍していた2007年に九州交響楽団のオーディションに合格し、20代という若さで首席奏者に抜擢された。
当時、ドイツと日本を行き来していたデムチシン氏は、ドイツで音楽の勉強を、日本ではオーケストラの仕事をしながら日本語を学んでいた。そんな多忙な日々を送っていたが、九州交響楽団入団の2年後に大学を無事に卒業する。
研究熱心な彼は、日本語をはじめ、ロシア語、ウクライナ語、ポーランド語、ドイツ語、英語の6ヵ国語を操る才能を持ち、今でも毎日5つずつ単語を覚えるようにしているという。類いまれな才能を持つデムチシン氏だが、インタビューを読むと自分に厳しく、努力を惜しまず何事にも一生懸命に取り組む姿勢が伝わってくるだろう。また音楽やクラリネットへの熱い想いを語ってくれた。
ドゥレクリューズ
古典・現代作品の主題による14の大練習曲
【ALCD-3098】
[演奏]タラス・デムチシン(Cl)
[収録曲]ドゥレクリューズ:≪幻想交響曲≫による/≪真夏の夜の夢≫のスケルツォによる/≪モーツァルティアーナ≫・≪くるみ割り人形≫による/≪悲愴交響曲≫による/≪田園組曲≫の「スケルツォ=ヴァルス」による/≪シェエラザード≫による/≪こどもの領分≫による/≪道楽むすこ≫・≪牧神の午後への前奏曲≫・≪遊戯≫による/≪ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら≫による/≪魔法使いの弟子≫による/≪ダフニスとクロエ≫による/≪ダフニスとクロエ≫の終曲による/≪火の鳥≫による/≪ペトルーシュカ≫・≪春の祭典≫による
Taras Demchyshyn│ タラス・デムチシン
1984年、ウクライナのリヴィフ生まれ。ミコーラ・リーセンコ音楽大学を卒業後ドイツに留学し、ダルムシュタッド音楽大学で学び、ハンスアイスラー音楽大学を首席で卒業。第12回大阪国際音楽コンクール(2011年)で第1位他、グランプリ、オーディエンス賞、アルソ賞を受賞。2007年より九州交響楽団首席クラリネット奏者に就任。2013年4月よりヤマハオフィシャルクラリネットアーティストとなり、同年9月、ALM RECORDS/コジマ録音より 世界初録音のエチュード「Delecluse:Quatorze Grandes Etudes」を発売。
http://www.tarasdemchyshyn.com/