4th Happy Clarinet Contest を終えて
去る2023年4月1日、東京・葛飾にあるスタジオ「カーサ・ダルテ」にて第4回 ハッピー・クラリネット・コンテストの本選会が開催された。
コロナ禍まっただ中の2020年に立ち上がってから早くも4回目を数える同コンテストでは、毎回多くの若手クラリネット奏者がしのぎを削る熱戦を繰り広げている。
そこで今回は、主催者であり審査委員長でもあるクラリネット奏者 田中正敏氏に、今大会を振り返っていただいた。
第4回ハッピー・クラリネット・コンテストを終えて
皆様のお陰様をもちまして、4回目のコンテストを開催することができました。今回はオンライン審査で2名の海外審査員、私を含む日本人審査員3名、計5名の審査員で、予選は動画審査、本選会は東京・お花茶屋の「カーサ・ダルテ」で行なわれました。
【審査員】
田中正敏(東京学芸大学講師)
郡 尚恵(洗足学園音楽大学講師)
竹内未緒(フリーランス)
ガスパレ ブオノマーノ(NDRエルプフィルハーモニー交響楽団 ソロ・クラリネット)
アコシュ アーチュ(ブダペスト祝祭管弦楽団 首席クラリネット)
2020年、第1回同コンテストをスタートするやいなやコロナ禍へ突入。感染の不安の中、実施形式を模索しながら回を重ねてきました。正直、このままこのコンテストを続けるべきか否か考える時期もありました。
しかしながら、世の中の「ウイズ・コロナ」という前向きな空気感、協賛企業からの協力と期待、想定を上回る多数の個人協賛の皆様の励まし、審査員の熱い情熱、運営スタッフのバックアップ、何よりも参加してくれた若者の素晴らしい演奏、すべてが貴重でありがたく、「田中、やれ!」と私の背中を押してくれました。今となっては開催して本当に良かったと思っております。
今回は一般大学の学生さんからの応募があり、しかも本選会に残りました。さらに関東圏外からの参加者も増えました。当初の私がイメージしていたコンテストは音楽専門大学生だけのものではなく、一般大学の学生さんや愛好家の皆さんの参加でしたので、その願いが実現しとても嬉しかったのです。
本選会結果
優勝
三枝天音さん
審査員特別賞
岡田愛音さん
本選会出場者
加藤大智さん/山下 颯さん/圖子怜央奈さん
参加してくれた学生さんが私に話してくれたのが、
「先輩がこのコンテストのYouTubeで演奏している姿を見て感動し自分も参加したいと思った」
「ハッピー・クラリネット・コンテストというネーミングに惹かれた」
「オンラインだが海外審査員がいるコンテストであること」
などでした。
審査員からもたくさんのコメントをもらいました。
「日本で後進の指導をするにあたり気をつけなければならないポイントが以前よりもより明確になった」
「若者が奏でる演奏を聴き、自分自身が勉強になり元気が出た」
普段エーラー式の楽器を演奏するブオノマーノ氏は「ベーム式楽器での演奏をしっかり聴けてとても勉強になった」
などなど。審査員の情熱が熱かったです。
今後とも私はできる限り若者を応援し、グローバル・スタンダードなクラリネット奏者の育成を目指したいと思っております。引き続き皆さまのご支援、ご協力をどうかよろしくお願いします。
【ご協力いただいた皆様】
野中貿易株式会社、株式会社ビュッフェ・クランポン・ジャパン、株式会社ヤマハミュージックジャパン、株式会社ル・ベカール
大矢哲雄、穴澤龍治、青野ひろみ、八若博司、島田直樹、井口聖一、山口浩史、チータム倫代、大原久子
澁谷 貴、三浦 沖、坂本朋子、安部千菜(敬称略)
2023年4月13日 コンテスト実行委員長 審査員長 田中正敏