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The Clarinet ONLINE
Akane Interview - 心に寄り添いエールを届けるデビュー・アルバムを発表!!
クラリネット奏者として生きる道
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プロの演奏家になろうと思ったのはいつですか?
A
中学3年生のころだと思います。講師として学校に来ていたプロ奏者の川村愼敬先生から「須田ちゃんは歌心があるから東京藝大を目指してみない?」と言われたのが嬉しくて、「わたしにはクラリネットの才能があるかもしれない。藝大を目指してプロになろう!」という気持ちになりました。 川村先生にはクラリネットの基礎を教えていただきました。先生はThe Clarinet誌で連載していましたよね。そのとき、わたしはまだ高校生でした。
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そして吹奏楽の強豪校である東海大学菅生高校に進学しますね。
A
はい、そうです。藝大受験を決めていましたが、高校では部活との両立がまったくできなくて一浪しました。それでも藝大には受からず国立音大に進みますが、同じ1年生でも年齢はわたしの1つ下になるんですけど、上手な子も多くて「わたしにはクラリネット奏者として生きる道はあるのか、仕事はあるのか」と考えるようになり、未来がまったく見えなかったんです。
そんなとき、サックスの千野哲太さんが学生団体を立ち上げて音大生を歓迎するイベントを行なっていました(※編集部注=音大生コミュニティJAMCA)。そのイベントからの繋がりでライブ配信をしていたりYouTube動画をアップしていたりする同世代の音楽家たちがたくさんいるんだということを知りました。そういう人が大学内にはいなくて、より広い世界を知ったことで自分の視野も広がり、クラリネット奏者では誰もやっていなかったTikTokをやろうと決めました。大学3年生のときです。
その後、YouTubeも開設して演奏動画をメインに発信していきました。わたしの演奏を認めてほしい、知ってほしいという気持ちで始めたのですが、本当にたくさんの方に認知していただけて、ありがたいことにそこから繋がった仕事もあります。それに多くの仲間ができました。Clarinet Guild FANTASIAのみんなや、辻本さんもTikTokを見ていただいて声をかけてくれました。同業者との交流や出会いもすごく増えましたね。
そんなとき、サックスの千野哲太さんが学生団体を立ち上げて音大生を歓迎するイベントを行なっていました(※編集部注=音大生コミュニティJAMCA)。そのイベントからの繋がりでライブ配信をしていたりYouTube動画をアップしていたりする同世代の音楽家たちがたくさんいるんだということを知りました。そういう人が大学内にはいなくて、より広い世界を知ったことで自分の視野も広がり、クラリネット奏者では誰もやっていなかったTikTokをやろうと決めました。大学3年生のときです。
その後、YouTubeも開設して演奏動画をメインに発信していきました。わたしの演奏を認めてほしい、知ってほしいという気持ちで始めたのですが、本当にたくさんの方に認知していただけて、ありがたいことにそこから繋がった仕事もあります。それに多くの仲間ができました。Clarinet Guild FANTASIAのみんなや、辻本さんもTikTokを見ていただいて声をかけてくれました。同業者との交流や出会いもすごく増えましたね。
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その後、コロナ禍になりますね。
A
はい。大学の授業も演奏会もなくなったんですけれど、わたしとしてはチャンスだなと思いました。とにかくやりたいことができるようになったので、毎日のようにTikTokに投稿して、大学4年生のときは教育実習などもやりながら動画投稿に重きを置きました。ただ、音大を卒業して最初のライブでは集客ができなかったんです。動画も見るし応援もしてくださるんですけど、ライブに足を運ぼうという方は少なくて。わたしはこのままじゃクラリネット奏者として成立しない、と。動画のファンはいても、ライブのお客さんはいないという状況をどうにかしないといけないと思い、大学を卒業したあとにライブ配信を始めました。最初はLINE LIVEを1年半くらいやって、そのあとPocochaに移行しました。今はPocochaで週に4日くらい配信しながら、TikTokライブも若者に向けて週1くらいのペースで配信しています。Pocochaはオンラインライブであり、ファンコミュニティであり、リアルドキュメンタリーでもあります。リアルタイムでのわたしの活動だったり夢に向かっていく姿を言葉に乗せて音楽とともに伝えています。
配信は北海道から九州・沖縄まで全国各地の方と同じ時間を共有できて、私の自宅の配信画面を通してみんなにメッセージや音楽を届けられるのがステキだと思います。
配信は北海道から九州・沖縄まで全国各地の方と同じ時間を共有できて、私の自宅の配信画面を通してみんなにメッセージや音楽を届けられるのがステキだと思います。
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実際のライブと配信での演奏は、スタンスや気持ちなど違いはありますか?
A
どっちも共通しているのは、人を励ますために演奏したいという気持ちです。生きていく中で心が疲れていたり、しんどいと思うことがあったりしたとき、音楽は心を元気にしたり癒してくれたりする力があります。根本的には変わらないのですが、毎日のように行なっているライブ配信では一緒に上昇していこうよ、と画面越しにエールを送るような感じですが、ライブだと同じ空間で直接音を届けられるので、感情や思いがより伝わるかなと思っています。
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現在はポップスがメインですが、学生時代はクラシックを学んでいたんですよね。
A
今はもうポップスに振り切っていて、クラシックの演奏会はやっていないです。ライブでもポップスのカヴァーをしたり、オリジナル曲を演奏しています。ゆくゆくはオリジナル曲をメインにしていきたいと思っています。
ポップスの奏法はほぼ独学ですが、ジャズ・ポップスの基本を一度辻本さんにレクチャーしていただいたことがあります。ジャズもきちんと勉強しているわけではないんですけれど、バークリー音楽大学を卒業されて現在「ミューズメイト」という、音楽家のための有料配信プラットフォームを運営されているクラリネット奏者の壱岐薫平さんに、ジャズのアドリブについてのレクチャーを受けたりしました。また、チェロ奏者でありプロデューサーでもあるヌビアさんにも即興演奏を教えてもらっていました。
あとは聴いて勉強しています。クラリネットだとポップスの吹き方の参考になる音源がまだ少ないので、サックスやトランペットなどホーン隊と呼ばれている方の演奏を聴いて、クラリネットだったらどう演奏するかを考えたりします。ポップスだったら、クラシックよりもこう吹きなさいという縛りが少ないので、自由にやりたいことができていると思います。クラシックだとやってはいけないという吹き方をけっこうしていますけどね。
ポップスの奏法はほぼ独学ですが、ジャズ・ポップスの基本を一度辻本さんにレクチャーしていただいたことがあります。ジャズもきちんと勉強しているわけではないんですけれど、バークリー音楽大学を卒業されて現在「ミューズメイト」という、音楽家のための有料配信プラットフォームを運営されているクラリネット奏者の壱岐薫平さんに、ジャズのアドリブについてのレクチャーを受けたりしました。また、チェロ奏者でありプロデューサーでもあるヌビアさんにも即興演奏を教えてもらっていました。
あとは聴いて勉強しています。クラリネットだとポップスの吹き方の参考になる音源がまだ少ないので、サックスやトランペットなどホーン隊と呼ばれている方の演奏を聴いて、クラリネットだったらどう演奏するかを考えたりします。ポップスだったら、クラシックよりもこう吹きなさいという縛りが少ないので、自由にやりたいことができていると思います。クラシックだとやってはいけないという吹き方をけっこうしていますけどね。