製作者と演奏家、2つの顔を持つヨッヘン・セゲルケ
ウェルナー・シュヴェンク氏と共同でクラリネットメーカー、シュヴェンク&セゲルケを運営するヨッヘン・セゲルケ氏。マンハイムの音楽院のクラリネット専攻を卒業後、フリーのクラリネット奏者として、歌劇場などでエキストラの仕事をはじめたのがキャリアのスタートと語る彼が、クラリネットの製作に携わりシュヴェンク&セゲルケを立ち上げるまでのヒストリーを語ってくれている。
インタビュアを務めてくれたのは日本を代表するクラリネット奏者の谷尻詩宜氏。自らもシュヴェンク&セゲルケのモデル1000を愛用するだけあり、鋭い質問を投げかけてくれた。また、通訳を担当してくれたのも同じく人気クラリネット奏者、横田揺子氏とあって、取材中は濃〜いクラリネット談義が繰り広げられた。
シュヴェンク&セゲルケが一般的なグラナディラ以外に、ツゲやモパネなど多種の素材をクラリネットに使用する理由なども明かしてくれた貴重なインタビューの模様は、是非The Clarinet vol.53の誌面から確認してほしい。
ヨッヘン・セゲルケ│ Jochen Seggelke
MannheimのHans Pfeifer氏の下でクラリネット演奏に関して教育を受けた後、様々なドイツオーケストラやアンサンブルで活動している(例えば、Concerto Köln, Acamusなど)。1995年に木管楽器製作者としての教育を終え、自身の工房を開設し、1996年からWerner Schwenk氏と共同でクラリネット製作を開始した。その後も自身の音楽活動は継続しており、プロフェッショナルな音楽家としての経験が、彼の顧客からの要求に対する丁寧な対応に生かされている。2005年から、ドイツの"Who's who"にリストされており、Bambergの経済代表としてアクティブに活動を続けている。時折、ヨットで仕事から逃亡することがある。
谷尻詩宜│ Shinobu Tanijiri
鹿児島県生まれ。高校時代からクラリネットを始める。東京芸術大学音楽学部別科修了後、ドイツ・ミュンヘン音楽大学に留学。ミュンヘン・プーラッハ音楽学校のクラリネット講師。1992年東京交響楽団に入団。オーケストラ活動の他、ソロリサイタルや室内楽でも活躍。2004年、東京交響楽団を退団。ソロ活動を中心に、コンサート、CD発売など多数。日本を代表するクラリネット奏者として、雄弁に紡ぎだすその音楽は、多くのファンを魅了している。