ただいまロッテルダム音楽院でバスクラ修行中!
バスクラのスペシャリストを目指し、現在オランダにあるロッテルダム音楽院のバスクラリネット科で修行中の国田健さん。ご自身が体験された日本とオランダでのバスクラリネットに関する違いや、在学中のロッテルダム音楽院でのレッスンの様子などをレポートしてくれた。
text by 国田健
他の楽器と差別化されたバスクラ
私がバスクラリネットを始めたのは中学校の吹奏楽部がきっかけでした。楽しい毎日を過ごしていた中学2年生のある日、ヨゼフ・ホラークの録音を耳にし、彼の演奏にものすごい衝撃を受け、それと同時に私もバスクラリネットのプロになりたいと思うようになりました。けれども日本にはバスクラリネットを専攻できる音楽高校などあるはずもなく、進路の決定にずいぶんと悩んでいました。そんな時、幸運にも私の熱意に共感してくださった須磨学園吹奏楽部(現・管弦楽部)の久永先生が声をかけてくださり、普通科でありながらピアノやソルフェージュ、楽典、バスクラリネット、クラリネットのレッスン環境が整った須磨学園高校へと進学することができました。久永先生は当時から私のバスクラリネットに対する熱意を尊重してくださり、今でも私 の良き理解者です。しかしこの時はバスクラリネットを巡る環境を知ったばかりで、バスクラリネットを続けていくのか、クラリネットに変更すべきかどうか自問自答の日々が続きました。結局、高校2年生の夏にクラリネットでの受験を決意し、一度はクラリネットで日本の音楽大学に入ったのですが、2012年9月に中退しオランダのロッテルダム音楽院のバスクラリネット科に入学しました。オランダに来た当初の印象としては、バスクラリネットが即興演奏や電子音楽の分野で用いられることが非常に多いということでした。ジャズなどでも頻繁に用いられていてバスクラリネットが他の楽器と差別化されているという印象を受けたことを覚えています。
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・恩師の教え、揺るぎない情熱
Ken Kunita
使用楽器 バスクラリネット:ビュッフェ・クランポン プレスティージュ Low C / マウスピース:バンドーレン B50 / リガチャー:ボナード ピンクゴールド(逆締め)/ リード: バンドーレン トラディショナル