クラリネット記事 気になるリガチャー 30個を試奏チェック!!
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The Clarinet 49号 特集リガチャーの基礎知識

気になるリガチャー 30個を試奏チェック!!

雑誌The Clarinet 49号のリガチャー特集をオンライン掲載! クラリネット奏者の左藤博之氏のコメントを参考に、あなたに合ったリガチャーを探す手がかりにしてみてくださいね!

 

マウスピースにリードを固定するための道具がリガチャー。このリガチャーを替えることで、吹奏感や音色、そして明瞭なアーティキュレーションや、高・低音の出しやすさなども変わってくるのだ。
自分に合ったリガチャーを見つけることはなかなか難しいし、リードやマウスピースの相性などもある。ここでは代表的なリガチャーや、今注目のリガチャーをピックアップし、それぞれのリガチャーを実力派プレイヤーの左藤博之氏に試奏してもらった。ぜひ自分に合ったリガチャーを見つけるヒントにしてほしい。

左藤博之

Profile|左藤博之

北海道札幌市出身。17歳よりクラリネットを始める。北海道教育大学芸術文化課程音楽コース卒業。尚美学園ディプロマコース修了。第1回クラリネットアンサンブルコンクールグランプリ受賞。第17回宝塚ベガ音楽コンクール入賞。その後も多くのコンクールに入賞。作編曲家、指揮者としても活動。指揮者としては第59回ヨーロッパ青少年国際音楽祭最高得点獲得。2013年プラハ国際吹奏楽コンクール特別金賞、最優秀賞獲得。主宰する音楽教室で後進の育成にも力を入れている。

 

クラリネット リガチャー

<試奏したリガチャー>

RICO H-LIGATUREシルヴァープレート/RICO H-LIGATUREゴールドプレート/RICO H-LIGATUREゴールドプレート特注仕様/I.M Ligature BRIAR WOOD/I.M Ligature Bronze/Wood Stone KODAMAⅠ/Wood Stone KODAMAⅡ/Wood Stone フレンチ ラバー用GP/HB Harmonieピンク・ゴールドめっき/HB Harmonieブラック・ニッケルめっき/LB LYON Prelude/Oleg Olegature銀メッキ/GF-MAXIMA BGG(ゴールドライン)/SELMER Paris SP/BUZZ Original Ligature PGP R/BUZZ Original Ligature GP/Patrick Messina Duo本革製/HARRISONラバー用 総銀製Ag925/HARRISONラバー用 金メッキ/Vandoren KLASSIK/Vandoren M|Oブラック/BUFFET Crampon ピンクゴールドめっき/BUFFET Cramon 銀めっき/BG Tradition GP/Francois Louis PURE BRASS GP/BAY AVANTGARDE ゴールドメッキ仕上/BONADE 2250UG GP/MOMO PECIAL LIGATURE BS 縦型 GP/MOMO PECIAL LIGATURE NS 横型 GP/Rovner VERSA V-1R

チャートの見方
音色の傾向=柔らかい音色とは丸く温かみがある音でダークな音色の傾向のものが多い、硬い音色とは鋭く華やかで明るい傾向のものが多い。
音色の幅音程のツボ=音色、音程それぞれにおける自由度を表す。音程のツボが狭いということは、音程操作の範囲や振り幅が狭いぶん、むしろ音程が取りやすい。逆に広いものはコントロールなどの自由度が増すぶん、しっかりした音程感覚を持っていないと正しい音程を取るのが難しい。つまり、狭い・広いが良い・悪いではなく、そのリガチャーが音程、音色に対して、どういった特性を持っているのかの指標である。
音の芯=核となる音色の部分の太さ。
抵抗感=吹いたときの抵抗の強弱。
ホールド力=マウスピースとリードを押さえる力の強さ。
上締めと下締めについて
マウスピースの上部でねじを締めたり緩めたりするのが逆締めタイプ、リードの下部でねじの操作を行なうのが順締めタイプ。このようにリガチャーは大きく2つのタイプに分かれる(ねじを使わない特殊なタイプのものは除く)。今回の特集ではこの順締め、逆締めという呼び方ではなく、マウスピースの上部でねじを締めるのは上締め、下部で締めるのは下締めという呼び方に統一する。
 

RICO H-LIGATURE シルヴァープレート

RICO H-LIGATURE シルヴァープレート
RICO H-LIGATURE シルヴァープレート

左藤氏コメント
音色はかなり明るいですね。僕の使っているリードだと音色も音程もあまり動かせない感じですが、厚めのリードを使えば良いのではないかと思います。コントロールがやや難しいので中上級者向きかもしれません。

 

RICO H-LIGATURE ゴールドプレート

RICO H-LIGATURE ゴールドプレート
RICO H-LIGATURE ゴールドプレート

左藤氏コメント
これも明るい音色ですね。やはり自由度はあまりないように感じますが、リガチャーに頼って音を作る場合はいいですね。だから逆に考えれば初心者向きとも言えるかもしれない。特に音が上ずってしまうような方にはオススメします。

 

RICO H-LIGATURE ゴールドプレート特注仕様

RICO H-LIGATURE ゴールドプレート特注仕様
RICO H-LIGATURE ゴールドプレート特注仕様

左藤氏コメント
息がスムーズに入って吹き心地がすごくいいです。メッキが厚めだそうですが、同じリコでもまた印象がだいぶ違います。明るい音色は共通していますが、こちらのほうが音の芯が太いですね。ダイナミクスレンジも広くて大きな音の支えもしっかりあります。

 

I.M Ligature BRIAR WOOD

I.M Ligature BRIAR WOOD
I.M Ligature BRIAR WOOD

左藤氏コメント
これすごくいいです。かなり吹きやすくて、リードもすごく振動しますね。最も気に入ったところは、ピアノからフォルテシモまで一切音質と音色が変わることなく吹けるという点です。音色は暗めで、音の芯が太く僕好みですね。

 

I.M Ligature Bronze

I.M Ligature Bronze
I.M Ligature Bronze

左藤氏コメント
こっちのほうがウッドより抵抗感がかなり強いですね。抵抗感はあるけど詰まる感じはなくて、しっかり楽器が鳴ってくれる。ウッドがかなりコントロールが自由なので、それに比べればやや制限されますが、これもいいです。

 

Wood Stone KODAMAⅠ

Wood Stone KODAMAⅠ
Wood Stone KODAMAⅠ

左藤氏コメント
すごく柔軟な感じがします。最近はそのリガチャー独自の音を持っているものが多いなかで、これは吹き手によって全然変わってくると思います。音色、音程の幅は広くて、音色は明るいけど、それも人によって変わるかもしれません。

 

Wood Stone KODAMAⅡ

Wood Stone KODAMAⅡ
Wood Stone KODAMAⅡ

左藤氏コメント
これはいいです。ソロを吹くならKODAMAⅠ、オーケストラなど複数で吹くときにはKODAMAⅡ、というふうに使い分けたいですね。革だからか、こっちのほうが少し抵抗感が強くて、音色はやや暗く落ち着いている感じがします。

 

Wood Stone フレンチ/ラバー用 GP

Wood Stone フレンチ/ラバー用 GP
Wood Stone フレンチ/ラバー用 GP

左藤氏コメント
プロ奏者でこれを使っている方は多いですよね。音色の傾向はかなり明るく、抵抗感は少し強いかもしれません。しっかりとリードを固定してくれる感じがあり、こういう吹き心地が好きな方はたくさんいるでしょうね。

 

HB Harmonie ピンク・ゴールドめっき

HB Harmonie ピンク・ゴールドめっき
HB Harmonie ピンク・ゴールドめっき

左藤氏コメント
これは以前使っていました。2点でリードを支えるので、リガチャーとの間に空間ができてより自由度が高くなると思います。音色は暗めでボリュームがあり、幅は広め。抵抗感が少しありますが、息は通りやすいほうだと思います。

 

HB Harmonie ブラック・ニッケルめっき

HB Harmonie ブラック・ニッケルめっき
HB Harmonie ブラック・ニッケルめっき

左藤氏コメント
とても吹きやすく、バランスがいいです。抵抗感はピンクゴールドめっきよりも少しありますが、大きな音の支えはこっちのほうがしっかりとしていて、ダイナミクスレンジも広いです。音色は割と暗めで、音が広がっていく印象ですね。

 

LB LYON Prelude

LB LYON Prelude
LB LYON Prelude

左藤氏コメント
リードと接地している部分が金属なので音が革とは違いますね。金属よりも音色は暗めですが、革製と考えると少し明るい感じがします。3点で支えているのでリードをうまく振動させてくれます。抵抗感はそれほどなく心地よいです。

 

Oleg Olegature 銀メッキ

Oleg Olegature 銀メッキ
Oleg Olegature 銀メッキ

左藤氏コメント
指の吸い付きがいいので、しっかりと息が通っています。たぶんすごくスムーズに空気が流れているんだと思います。音色は若干明るめですが、抵抗感は結構ありますね。音色、音程の幅はそれほど広くないです。

 

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