特集 モノにすれば 演奏がガラリと変わる 正しい音程の取り方教えます!
クラリネット吹きの誰もが悩んでいるといっても過言ではない「音程」。吹奏楽コンクールが終わってしまった今だからこそ、じっくり音程に向き合うチャンス!?かもしれません。息づかいや、アンブシュア、楽器のジョイント部分、さらには気温など様々なことが関係するため、どのようにトレーニングすればいいのかわからない方も多いと思います。 オンラインでは本誌68号より一部抜粋でお届けします。
Q.音程の重要度
クラリネットにおいて、音程、音色、リズム、音楽表現のどれが一番重要ですか?
はじめに、チャールズ・ナイディック & 大島文子、藤井一男の2組に音程の重要度を聞きました!
Photo:Yuki Tei
Respondent
チャールズ・ナイディック & 大島文子
ナイディック:どれが一番とか、順番を付けることはできません。音色と音程は密接に関係しています。もし音程の悪い演奏をした場合、音色は存在しないことになります。逆に音程が素晴らしく良かったら、音色も付いてきます。なぜかというと、良い音程というのはすべての倍音がクリエイトされていることで、これが美しい音色でもあると言えます。
自分の吹いている音が高いか、低いか、どっちかわからない人がいます。それは1音1音にきちんとした倍音が含まれていないからです。よくわからない音程のことをジョークでbと#をつなげた「FLARP(フラップ)」といいます(笑)。
またリズムは音色や音程とはかけ離れているものだと思われがちですが、完全に無関係とは言えません。なぜなら、クラリネットでリズムを出す1つの要素として、どのように息を入れるのか、ということが関わってくるからです。リズム感を出すということも音程に関係してくるわけです。そして、最後に音楽表現はそのすべてに関わってきます。音楽表現は強弱とリズム。強弱をつけることで音程が合っていないとしたら、それはすでに音楽表現ができないということになってしまいます。またリズム感がなかったら音楽表現はできません。すべてが備わっていなければ音楽表現ができないということです。
大島:音程、音色、リズム、音楽表現は、すべての要素が総合作用しているので1つとして外すことができません。
Charles Neidich
国際的クラリネット奏者、指揮者、ニューヨーク州立クィーンズ大学教授、マンハッタンスクール教授、ジュリアード音楽院講師ほか
〈楽器&セッティング〉
● 使用楽器:セゲルケ・モデル1000
● マウスピース:バンドーレン・ジャーマンモデルD4 or D6(セゲルケによるリフェイス版)
● リガチャー:ウッドストーンKODAMAⅡ
● リード:Pilgerstorfer Exquisit 2半 or 3、ウッドストーン・リードの3~3½プラス
Ayako Oshima
クラリネット奏者、ハートフォード大学ハート音楽院准教授、ニューヨーク州立ハーチェス大学講師、ジュリアード音楽院講師ほか
〈楽器&セッティング〉
● 使用楽器:セゲルケ・モデル1000
● マウスピース:バンドーレン・ジャーマンモデルD6(セゲルケによるリフェイス版)
● リガチャー:ウッドストーン・リガチャー(サテン金メッキ)or 紐リガチャー
● リード:ウッドストーン・リードの3 or 3½
Respondent
藤井一男 Kazuo Fujii
いい音でも音程が悪かったらダメだし、音程が良くても音色やリズムが悪かったらダメ。だから、音程、音色、リズム、音楽表現がすべてセットになっていないといけません。これらすべてが重要です。どれかが欠けている人がたくさんいますが、音程、音色、リズム、音楽表現のどれが欠けてもいけません。その楽器を極めようと考えているなら、音程だけが良くてもダメ。例えば、オーケストラプレイヤーの2ndなどは音程とリズムは絶対に外せません。メロディ吹きならもちろん音色や音楽表現も大事。だからすべてがセットなのです。
Kazuo Fujii
クラリネット奏者、東京クラリネットアンサンブル主宰、NSO主宰
〈楽器&セッティング〉
● 使用楽器:ヤマハ YCL-SEアーティストモデル
● マウスピース:Playnickマウスピース Play Easy B2(リフェイス済)
● リガチャー:O.N.Oリガチャー
● リード:ドリームリード 3番
本誌では、さらに音程に関する8つの質問に答えてもらっています。
さらに!オーケストラ、吹奏楽団、ビッグバンドのプレイヤーにも聞きました!
続きは本誌68号でお楽しみください!
チャールズ・ナイディック、大島文子、藤井一男