クラリネット記事 第2回 | 驚きのタンギングアルバムの巻き 十亀正司の世界の名盤・珍盤 
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The Clarinet vol.26(2008年3月発売)

第2回 | 驚きのタンギングアルバムの巻き 十亀正司の世界の名盤・珍盤 

リード楽器奏者にとって自分のタンギングの良し悪しはいつも悩みの種です。特に“速さ”となると、持って生まれた先天的な部分が大きく左右してしまうのでなおさらです。かといってダブルタンギングは難しいし……。そこで今回はその速さを逆手に取ったアルバムを2枚ご紹介します。

 

名匠R.イエッテルのシングルタンギング

まず1枚目は、あの有名なルドルフ・イエッテルのアルバムです。


彼はレオポルド・ウラッハとともにウィーン・フィルの一時代を築いた人です。教則本やスケールの本なども多数残っているので、一度は皆さんも目にしたことがあると思いますが、そのイエッテルのとても変わったアルバムです。

昔から彼はタンギングが速いことで有名な人でした。このアルバム「spielt Solostücke für Saxophon」は、なんとアルトサックスで自分の曲を吹いているのですが、2曲ほどタンギングの速さを前面に押し出した曲が入っているのです。曲名は「スタッカーティシモ」と「ワイルド・タング」。いかにもすごそうな名前ではありませんか。
さてこの曲でどのくらいの速さでタンギングをしているのかを、発売当時のエピソードを交えてお話ししましょう。

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・名匠R.イエッテルのシングルタンギング (続き)
・会長R.スプリングのダブルタンギング
・変幻自在M.フロストのタンギングを超えたタンギング

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