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The Clarinet vol.29(2008年12月発売)
第5回 | クラシック奏者にも愛されるジャズの名手たちの巻
今回はジャズィーな2人のクラリネット奏者のアルバムを紹介することにします。二人とはエディ・ダニエルズとミシェル・ポルタル。まずはこの2人の紹介をしましょう。
クラシック出身のポルタルとジャズプレイヤー ダニエルズ
ミシェル・ポルタルは、1937年11月27日、フランス バスク地方のベヨンヌ生まれ。クラシック奏法を学ぶためにパリ高等音楽院に入学し、1959年に首席で卒業。その後1963年のジュネーブ国際音楽コンクールで、また1983年には国際音楽グランプリで入賞し、以後Boulez、Stockhausen、Berio、Kagelなど現代を代表する作曲家の作品の初演を手がけた人物——とまあ、バリバリのクラシック奏者だったわけです。片やエディ・ダニエルズの経歴は、1941年10月19日、ニューヨーク生まれ。クラリネットを専門にする以前、アルトとテナー・サックスを吹いており、10代のころからマーシャル・ブラウンのユース・バンドやトニー・スコットと演奏。ジュリアード音楽院を卒業しており、66年から6年間、サド・ジョーンズ=メル・ルイス・オーケストラ(サドメル)に参加していました。
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・5種類の異なる楽器を使い分ける
・圧倒的なテクニックを持ちながら親しみやすいジャズクラリネットを聴かせる
バンドネオンを演奏する十亀氏