クラリネット記事 ビュッフェ・クランポンE11 × 粟生田直樹
  クラリネット記事 ビュッフェ・クランポンE11 × 粟生田直樹
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ビュッフェ・クランポンE11 × 粟生田直樹

プロフェッショナル・モデルと共通する吹奏感、音色、キー・メカニズムが特徴のビュッフェ・クランポンE11。高級なグレナディラ材を使用していながら、リーズナブルな価格設定というのもうれしい限り。そんなE11がさらにグレードアップして登場。今回は、東京吹奏楽団でコンサートマスターを務めるクラリネット奏者の粟生田直樹さんにE11を試奏していただいた。

−E11は、クラリネットを始める方に向けたエントリーモデルという位置づけです。学生などは吹奏楽で楽器を始めると思いますので、プロの吹奏楽団で活躍されている粟生田さんにお聞きします。吹奏楽におけるクラリネットパートの役割とは何でしょうか?

粟生田直樹(以下、粟生田): 吹奏楽におけるクラリネットパートは、オーケストラにおけるヴァイオリン、ヴィオラの音域や役割を担当することが多いのですが、吹奏楽ではクラリネットパートがストレスのない響きを作ることが重要です。例えば、クラリネットパートの響きにストレスがあったり、充実して響いて無いのに、金管楽器が自分達の吹きやすい音量で吹いてしまうと全体の音量バランスが悪くなってしまいます。クラリネットがしっかり鳴っていると、サックスや金管楽器、パーカッションなど音の大きな楽器でも、抑えることなく自分のやりやすい音量を出せるので、クラリネットパートのサウンドが吹奏楽に与える影響はかなり大きいと思います。音程も大事なのですが、クラリネットパートの人たちが音色的にストレスのない響きを出しているということが大事で、クラリネットパートが充実した響きを作っていると金管や打楽器が心地よい音量で演奏しやすくなるので、吹奏楽のサウンドとしても立体的で表情豊かになります。クラリネットパートの響きや音程にストレスがあった場合、例えば音程が定まらなかったり、無理に鳴らしていたり、あまり響かないということがあると、他のパートにも悪い影響が出てくると思うので、クラリネットパートのストレスのない響きと音量作りは吹奏楽ではとても大事なことです。

粟生田直樹

−音量バランスが大事なのですね。

粟生田:普段の個人の練習でいい音が出せても、金管・サックス・打楽器などと音量でバランスを取る場合、音が埋もれないようにと、フルパワーに近い音量で吹いてる状況が良くあるかと思います。
その時に、響きを殺してしまったフルパワーのサウンドではなく、ストレス無くクラリネットを響かせた状態の方が吹奏楽のサウンド作りでは大切だと思います。
力いっぱい鳴らしてしまう感じの音だと、クラリネットの音が単独で聞こえて、他と溶け合っていない状況になってしまいます。クラリネットパートは他の楽器の響きを受け止め、支える役割もあります。単純に音が大きいより、ストレス無く鳴らす・響かせるのが理想的です。

ー そんな吹奏楽にも、このE11は対応できるのでしょうか?

粟生田:E11は、丁寧に設計されていることやグレナディラで造られていることの影響だと思いますが、変なクセをつけずに響きを作っていける楽器だと思います。と、いうことはクラリネットの響きにも良い影響を与える可能性があると感じます。自然な響きを求めて練習すれば、音程も整っていくと感じさせる楽器なので、クラリネット同士や、他の楽器とのアンサンブルでも安心して拠りどころになれるポイントがあると思います。
E11は、力まなくても、他の楽器としっかり音が溶け込み、力まずに演奏できるということを体で覚えさせてくれる楽器です。

ー 粟生田さんがE11を吹いたときの印象は?

粟生田:E11は何度も吹いていますが、ビュッフェ・クランポンらしい温かみのある柔らかな音色を備えています。私が感じたのは、まず息が入れやすいということ。音色的には、高音域、低音域など、音域によって息をコントロールすることが少なく、すべての音域において同じような息の流れで吹くことができます。
また、キーのデザインや設計など、とても丁寧に行なわれているのは魅力的ですね。

粟生田直樹

ー E11はマイナーチェンジが実施されたそうですね。その内容を教えてください。

粟生田:マイナーチェンジ前と同じグレナディラ材を使っていますが、E12Fでも使われている透明のラッカーを採用して木目を生かした塗装になりました。他に、以前はトーンホールの煙突部分がプラスチック製でしたが、グレナディラ製に変えています。さらに、Fis/CisレバーやE/Hレバーを上位機種と同じように一体成形に変更するなど、アップグレードされました。調整可能指かけも追加されました。

ー ズバリ、E11の魅力は何でしょうか?

粟生田:何と言っても価格ですね。グレナディラを使っているにもかかわらずこのリーズナブルな価格帯はうれしいです。もしかしたら、小学生、中学生、高校生が自分の貯金でも手が届くかもしれない金額だと思います。例えば、学校の備品としてクラリネットを2本購入しないといけないという場合にも選択肢としては非常にうれしい設定になっています。予算的な問題で1本は新品で購入できるけれど、もう1本を中古にするか悩まれている学校も、E11なら新品を2本買うことができるかもしれません。
また、学生にとって楽器は初めて買う、もしくは買ってもらう高価なものになりますが、どちらにしてもMY楽器を持つことで楽器に愛情をそそぐという感覚や、楽器に感謝する気持ちは楽器の上達をサポートしてくれると思います。そしてE11は、ビュッフェ・クランポンの全クラリネットと共通した感覚も持っているので、もし欲が出て上位機種に替えたいというときにも移行しやすいと思います。

ー最後に、普段お使いの楽器とセッティングを教えてください。

粟生田:私は2008年に東京吹奏楽団に入団し、2013年より同楽団のコンサートマスターをやっています。楽団の中で、ソロやメロディを吹く時に、あまり自分に負担をかけずにパワーと音・音程の輪郭を作りたいと考えていて、これにマッチしていたのがビュッフェ・クランポンのフェスティバルだったので使用しています。
マウスピースはヴィルシャーの40B、リガチャーはウッドストーンの総銀製、リードはレジェールを使っています。レジェールに行き着いたのは、調子が悪くなったときに自分なのか、楽器なのか、リードなのか、マウスピースなのかがわからず、混沌としたときに拠りどころを作りたくて使い始めました。そういったリハビリのようなことをしていたらレジェールに慣れてきて、徐々に本番でも使うようになりました。

ーありがとうございました。

 

 

 

4月1日よりスチューデントモデルの購入を対象にしたキャンペーンを実施中。
楽器の購入を検討している初心者さんや学生さんはこの機会にぜひ♪
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●仕様
ベームシステム、17キー、6リング / アフリカ産グレナディラ材使用 / 洋銀製、銀めっきキー / 精密特殊加工スチール針ばねおよび板ばね / 調節可能指かけ
●付属品
マウスピース / リガチャー / キャップ / コルクグリス / スクリュードライバー / 〈BC〉オリジナルスワブ / クリーニングクロス
《in Bb標準パッケージ》
バックパックケース
《in Bbトラディショナルパッケージ》
ビニールレザー張りポシェットケース / ケースカバー(ショルダーストラップつき)
《in Eb/C》
ビニールレザー張り専用ケース
●保証期間
1ヵ年(ただし、木部の“割れ”に対しては1ヵ月)
●価格 (税別)
《in Bb標準パッケージ》BC2501-2-0J  ¥115,000
《in Bbトラディショナルパッケージ》BC2501-2-01J  ¥135,000
《in Eb》BC2301-2-01J ¥355,000
《in C》BC2201-2-01J ¥355,000



 

Profile

粟生田直樹

粟生田直樹 Naoki Aouda
長野市立柳町中学校吹奏楽専門部にてクラリネットを始める。武蔵野音楽大学卒業。大学在学中には学内オーディションに合格し同大学管弦楽団とソリストとして共演、選抜学生による「室内楽の夕べ」に出演。武蔵野音楽大学卒業演奏会・ヤマハ新人演奏会・長野県新人演奏会に出演。第17回宝塚ベガ音楽コンクール木管部門 入選。第20回日本木管コンクール クラリネット部門入選。2016年に東京芸術劇場で行われた東京吹奏楽団第63回定期演奏会ではF.ティケリのクラリネット協奏曲のソリストを務めた。2017年に在スリランカ日本大使館とコロンボ・ウィンド・オーケストラの要請により、スリランカでコンサート及びワークショップを開催。
現在、東京吹奏楽団クラリネット奏者・コンサートマスター。長野県小諸高校音楽科非常勤講師。
東京吹奏楽団に在籍しながらオーケストラ・吹奏楽・ミュージカル等で演奏活動中。クラリネットを傳田高廣、山本正治、十亀正司の各氏に師事。室内楽を甲斐道雄氏に師事。

 


粟生田直樹


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