クラリネット記事 第2回 ヨーロッパの夏の過ごし方
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バスクラリネット奏者・八巻志帆のヨーロッパからの音便り

第2回 ヨーロッパの夏の過ごし方

皆さんこんにちは! バスクラリネット吹きの八巻志帆です。8月下旬、昨日までのうだるような暑さが嘘のように突然気温の下がったアメリカにて、この記事を書いています。

私は8月の2週間、ニューヨーク・ブルックリンで開催されていた、School for Improvisational Musicという即興演奏を学ぶワークショップに参加していました。

7月から始まった私のドイツでの生活をお届けするこの連載。第2回目の今回は、ヨーロッパの夏の過ごし方と、ヨーロッパを飛び出してニューヨークで参加したワークショップのこと、そして海外の住宅事情などなどお届けしていきます。それではぜひお楽しみください!

生まれて初めてのニューヨーク、ブルックリン。とてもかわいい街並み

「Shiho、バカンスはどう過ごすの?」

夏が来る少し前から頻繁に聞かれるようになったこの言葉。バカンスという言葉、最初はなかなかピンと来ませんでした。

日本での夏休みといえば、どこへ行くにも人が多くて、なかなかゆっくりできるようなイメージがなく……人混みが苦手な私にはそれがとても辛かったのです(思えば私はあまりお盆や年末年始に実家に帰ることもして来ませんでした。。)。

ですからそう聞かれるたびに、「特に予定もないし、日本には帰らないよ~。ニューヨークに勉強しに行く!」と話す私に、この質問をした友人や知人はいつもとても驚き、そんな私をかわいそうに思うのか、家族での食事や、旅行に誘ってくれることもありました。彼らは家族で過ごす時間を本当に大切にしているからです。

私の先生であるMichaelもその1人で、彼は私ともう1人の生徒を、彼がオーストリアの山に持っているお家へ招待してくれました。

Michaelの山の家のバルコニーからの景色。燃えるような素晴らしい夕焼けに出会えました

 

数日間の中で、私たちは近くの湖へ行き、ハイキングをし、夜はMichaelが作ってくれた美味しいご飯を食べながら音楽の話をする……。そんなとても素晴らしい時間を過ごしました。

この旅行の前日には、参加させてもらっているジプシーバンドのメンバーの自宅の素敵なガーデンにて、ガーデンコンサートも。パーティもガーデンも好きなドイツの皆さんは、夏の間にこのようなガーデンパーティをよく開催するそうです。

 

ボーカル・マカフェリギター・チェロ・バスクラリネットという編成。オリジナルも多いですが、リーダーのバンドへのビジョンがとても明確で、とても面白い経験をさせてもらっています!子どもたちや年配の方々まで和気あいあいと和やかで、プライベートガーデンの良さを満喫

 

この話を初めて聞いた時は、暑いのに外に出る彼らが不思議でたまりませんでした。ただ、なんとドイツは……多くの家に冷房がないのです。もちろん朝や夕方は涼しく、何より湿度も低いので日本の夏よりは過ごしやすいのですが、30度を超える日が続くと大変! 

ドイツの方々はそんな時、こうしてガーデンで涼んだり、湖に飛び込んだりと、自然の“涼”をうまく取り入れて生活をするのです。


ミュンヘン北部に位置する大きな湖・Starnbergにて。ふらっと街人がやって来ては、水を浴びたり日光浴をしたり

 

 

CONTENTS
・入居率97%…!? スタンダードな部屋の借り方
・初めてのアメリカ・ニューヨークへ
・SIM ワークショップ
・MUSIC IS MUSIC

次のページに続きます


八巻 志帆 Shiho Yamaki 
宮城県仙台市出身。相愛大学音楽学部音楽学科にバスクラリネット専攻の一期生として入学。在学中より、初演演奏やリサイタル開催など積極的に演奏活動を行なう。2009年初夏に1stソロアルバム『Bassclarinet Recital』をコジマ録音よりリリースし、発売記念リサイタルを行なう。バスクラリネットを副島謙二、藤井一男、福井聡の各氏に、クラリネットを藤井一男、福井聡、金井信之の各氏に、2013年よりジャズを鈴木孝紀氏に師事。また、故浜中浩一、ヤン・ギュンス、サウロ・ベルティの各氏のマスタークラスを受講。2014年3月、代表を務めるMilfy Clarinet Ensembleで参加したクラリネット協会アンサンブルコンクール(於:パルテノン多摩)で2位を受賞。2014年12月、2ndソロアルバム『My Sweet Hometown』を発売し、3都市での発売記念イベントを成功させる。ジャンルに捉われないソロバスクラリネットの世界の確立を目標に、作編曲・オリジナル作品の研究のほか、様々なジャンルのアーティストと共演を重ねている。

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