クラリネット記事 第3回 ドイツの音楽大学受験について
[1ページ目]
バスクラリネット奏者・八巻志帆のヨーロッパからの音便り

第3回 ドイツの音楽大学受験について

皆さんこんにちは、バスクラリネット奏者の八巻志帆です! 晩夏から秋にかけて、たび重なる日本列島の台風被害の様子をニュースやSNSなどで知るたびに、心を痛める日々でした。ご自宅や職場が被害を受けた皆さん、避難所で過ごされている方、学校が被害を受けたことで、吹奏楽部の部室に置いていた楽器が泥まみれになった生徒さんたちもたくさんいらっしゃいます。遠くドイツからできることが限られているので本当にもどかしい気持ちです。まだまだ復興が進んでいない地域がありますが、どうか皆さんの身の安全を第一にお過ごしください。

さて、ドイツは実りの秋! ……も終わりに近づいているのか、冬の気配。私はというと、10月から新しい生活がスタートしました! ドイツ・ミュンヘンのHochshule Für Musik und Theater München(ミュンヘン音楽・演劇大学)への入学が決まり、9年半ぶりに学生生活を送っています。連載第1回目の記事で、ワーキングホリデー制度を利用してドイツに来ていると書いたのですが、このワーキングホリデー制度は国によって滞在できる期間が決まっています。ドイツの場合は1年間。私はこのワーキングホリデー期間で街に慣れ、受験をする計画をしていました。バスクラリネットでの海外の大学受験については、SNSを通して日本のバスクラリネット吹きさんからよく質問をいただいています。というわけで今回は、ドイツの受験とミュンヘン音大についてご紹介していきます!

NSドキュメントセンターミュンヘン
ミュンヘンの街の中心に位置する歴史ある建物は、クラシック科のメインビルディング。かつてあのナチスの党本部が置かれていた場所です。今も建物自体は当時のまま残されています。大学のすぐ隣には、4年前にできた、ナチスの過去・ミュンヘンの歴史についての資料館があります

 

CONTENTS
・語学の壁と音楽への感謝
・ドイツの大学は本当に授業料が無料なの?
次のページに続きます

 


NS-Dokumentationszentrum München


八巻 志帆 Shiho Yamaki 
宮城県仙台市出身。相愛大学音楽学部音楽学科にバスクラリネット専攻の一期生として入学。在学中より、初演演奏やリサイタル開催など積極的に演奏活動を行なう。2009年初夏に1stソロアルバム『Bassclarinet Recital』をコジマ録音よりリリースし、発売記念リサイタルを行なう。バスクラリネットを副島謙二、藤井一男、福井聡の各氏に、クラリネットを藤井一男、福井聡、金井信之の各氏に、2013年よりジャズを鈴木孝紀氏に師事。また、故浜中浩一、ヤン・ギュンス、サウロ・ベルティの各氏のマスタークラスを受講。2014年3月、代表を務めるMilfy Clarinet Ensembleで参加したクラリネット協会アンサンブルコンクール(於:パルテノン多摩)で2位を受賞。2014年12月、2ndソロアルバム『My Sweet Hometown』を発売し、3都市での発売記念イベントを成功させる。ジャンルに捉われないソロバスクラリネットの世界の確立を目標に、作編曲・オリジナル作品の研究のほか、様々なジャンルのアーティストと共演を重ねている。

[CLUB MEMBER ACCESS]

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。

1   |   2      次へ>      

八巻志帆

クラリネット ブランド