クラリネット記事 第6回 最終回 | Junko Kato 育てる!楽しむ!Clarinet Ensemble
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〜クラリネットアンサンブルをやってみよう!〜 vol.44より転載

第6回 最終回 | Junko Kato 育てる!楽しむ!Clarinet Ensemble

皆さんこんにちは、加藤純子です。
夏のコンクールがひと段落して、またアンサンブルシーズンがやってきます(私は一年中、アンサンブルシーズンなんですが……)。
さて、この連載も今回が最終回です。一年以上もお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
今回は特集に合わせて「耳を鍛える」ということを中心に、実際にアンサンブルをする立場に立って考えてみたいと思います。(※The Clarinet vol.44発売時のまま掲載しています。)

 

“聴こう”という意思が第一

人の耳は不思議で、生活の中にある音をすべて聞いているかというと、そうではありませんね。自分に必要な音を選んで聞き取っているように思えます。
何かに集中しているときは、自分の名前を呼ばれても気づかないことさえあります。それなのに、少し離れた場所のヒソヒソ話しの内容まで聞き取れたりします。
つまり、聞こうという意思が働かないとうまく聞こえてこないということですね。アンサンブルをするときにも同じことが言えます。
アンサンブルはもちろん、自分ひとりで吹くのとは違いますし、指揮者がいませんから、お互いに聴き合って、合わせながら進んでいかなければ成立しません。
私がアンサンブルのレッスンをするとき、まず最初にやるのが縦を合わせることです。タイミングを合わせなくてはいけない音がずれてしまったら、そのずれた場所を合わせていきます。
次に音程の悪さが特に気になる場所を取りだして直していきます。そして、バランスです。伴奏が大きくてメロディが聞こえにくくなっていたり、ハーモニーのバランスが悪くて音がブレンドされない場所を直します。
縦と音程とバランスは常に注意深く、聴き合っていなくてはならないポイントです。
では、楽譜を使って考えてみましょう。

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加藤純子 Junko Kato
大分県立芸術短期大学付属緑が丘高等学校音楽科卒業。武蔵野音楽大学卒業。卒業演奏会、各地での新人演奏会、皇居桃華楽堂にて御前演奏会に出演。A.プリンツの勧めによりウィーンホッホシューレに留学。
クラリネットを高橋郁子、村井裕児、アルフレート.プリンツに師事。
1980-2008年オブロークラリネットアンサンブルに在籍し、CD「オブローの魔法使い」、「オブローのティル」の制作にエスクラリネット奏者として参加。
1980-2017年世田谷学園クラリネットパート(アンサンブルコンテスト全国大会22回金賞受賞、日本クラリネット協会アンサンブルコンクール小.中.高等学生の部グランプリ3回)の指導者を務めた。
2017年、部活で吹奏楽クラリネット上達ブックを監修。
現在「世田谷おぼっちゃまーず」の指導、その他クラリネットアンサンブル、吹奏楽クラリネットパート、個人の指導をしながら室内楽を中心とする演奏活動をしている。
 
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